エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
 そして辿り着いたのは、ホテルの特別階にあるスイートルーム。きっと、私には手の出せないお値段だろう。征士さんと出逢ってから、今までにない体験ばかりしているな……。
 広々としたリビングルームには重厚な造りの家具がゆったりと配置され、さながら豪邸にある応接間のよう。窓からは都心の夜景がキラキラと輝いているのが見えた。
 ふたり並んでソファーに座り、ウェルカムドリンクとして用意してあったシャンパンを楽しんだ。

「私、スイートルームに泊まるのって初めてです」 

「別に緊張しなくてもいい。自宅のように寛いでくれ」

「さすがに、ここが自分のお家だとは思えませんけど……でも、素敵なお部屋ですね」

 辺りを見回してそう言うと、征士さんはホッとしたような笑顔を見せた。

「そうか、良かった。さて、そろそろ夕食にしよう。ハイヒールを履いたから脚が痛むと言っていたな。それなら、レストランに行くのはやめて、ルームサービスを頼もうか」

「はい、そうしたいです。ありがとうございます」

 ふたりでルームサービスのメニュー表を眺め、いくつか注文してシェアすることにした。レストランのコース料理に比べたら気軽だけれど、一品ずつの価格はやっぱり高い。
 スイートルームでの宿泊といい、ここまで労ってもらうほどの働きはしていないよね。何だか、申し訳ないな。
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