エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
第二章
鬼上司は優しくて
Ange Premierのプロジェクトメンバーに選ばれてから、一週間が過ぎた。
やる気いっぱいの私は頑張って企画を考え続けたけれど、
「あ〜もう、どうしたらいいんだろう」
早々に壁にぶつかっていた。
デスクでひとり頭を抱えていると、傍に誰かが立つ気配がした。
「行き詰まってるねぇ。はい、これ、差し入れ」
外出先から帰って来た沙希が、紙袋から何かを取り出して私の手元に置いた。
カフェのロゴがプリントされた透明なボトルの中で、ミルクの白と果肉入り苺ソースの赤が混ざり合って綺麗なピンク色になっている。
「わ、可愛い。苺ミルクだ。前からこのカフェに行ってみたかったんだよね。ありがとう、沙希」
「いえいえ、どういたしまして。今の乃愛には、カルシウムとビタミンが必要だと思ってさ」
沙希の言葉に苦笑する私。
この一週間、ずっとAnge Premierの販促企画を考えていた。
だけど、ずっとボツ続き。御堂課長の指摘が厳しくて、泣きそうになる日々だ。
「私、全然役に立ってないよ」
ため息を吐く私に、沙希が明るく笑ってみせる。
「気にしなくていいんじゃない? だって、ベテランメンバーの中で唯一の若手でしょ。皆、乃愛が頑張ってるのを知ってるし。上手くいかなくて当然くらいに思っておけばいいよ」
「そうなんだけど、最低限求められていることも出来ていないような」
私はPC画面をチラッと見る。表示されているのは、ついさっきボツになったばかりの企画資料。
御堂課長には「予算と効果が見合っていない」って言われてしまった。初歩的な指摘が恥ずかしい。
「落ち込んでも何も解決しないよ? ほらほら、まずは元気の素を飲みなさい」
そう言って、沙希が苺ミルクのボトルを差し出す。
私は笑って「ありがとう」と受け取った。
本当に、自分は職場の人たちに恵まれているな。
だけど……と、先週カフェテリアで会った時の御堂課長の言葉を思い出す。
『Angeの指輪を宝物と呼び、ここまで大切に扱っている君なら、きっとAnge Premierの価値を高めてくれると思ったんだ』
せっかく期待されているのに、私は何も応えられていない。
そう考えると、再びため息が漏れそうになるのだった。
やる気いっぱいの私は頑張って企画を考え続けたけれど、
「あ〜もう、どうしたらいいんだろう」
早々に壁にぶつかっていた。
デスクでひとり頭を抱えていると、傍に誰かが立つ気配がした。
「行き詰まってるねぇ。はい、これ、差し入れ」
外出先から帰って来た沙希が、紙袋から何かを取り出して私の手元に置いた。
カフェのロゴがプリントされた透明なボトルの中で、ミルクの白と果肉入り苺ソースの赤が混ざり合って綺麗なピンク色になっている。
「わ、可愛い。苺ミルクだ。前からこのカフェに行ってみたかったんだよね。ありがとう、沙希」
「いえいえ、どういたしまして。今の乃愛には、カルシウムとビタミンが必要だと思ってさ」
沙希の言葉に苦笑する私。
この一週間、ずっとAnge Premierの販促企画を考えていた。
だけど、ずっとボツ続き。御堂課長の指摘が厳しくて、泣きそうになる日々だ。
「私、全然役に立ってないよ」
ため息を吐く私に、沙希が明るく笑ってみせる。
「気にしなくていいんじゃない? だって、ベテランメンバーの中で唯一の若手でしょ。皆、乃愛が頑張ってるのを知ってるし。上手くいかなくて当然くらいに思っておけばいいよ」
「そうなんだけど、最低限求められていることも出来ていないような」
私はPC画面をチラッと見る。表示されているのは、ついさっきボツになったばかりの企画資料。
御堂課長には「予算と効果が見合っていない」って言われてしまった。初歩的な指摘が恥ずかしい。
「落ち込んでも何も解決しないよ? ほらほら、まずは元気の素を飲みなさい」
そう言って、沙希が苺ミルクのボトルを差し出す。
私は笑って「ありがとう」と受け取った。
本当に、自分は職場の人たちに恵まれているな。
だけど……と、先週カフェテリアで会った時の御堂課長の言葉を思い出す。
『Angeの指輪を宝物と呼び、ここまで大切に扱っている君なら、きっとAnge Premierの価値を高めてくれると思ったんだ』
せっかく期待されているのに、私は何も応えられていない。
そう考えると、再びため息が漏れそうになるのだった。