エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
 その後は会社に戻る御堂課長と別れて、ひとり暮らしの自分の部屋へと帰った。
 夕食とお風呂を済ませて、ドキドキしながらショップの紙袋と向き合う。

 袋の中から、ピンクのリボンが掛けられた平べったい小箱を取り出す。リボンを解いて、そっと箱を開けると、ショップのロゴが入った布製の小袋が現れた。袋の口を開いて、チェーンが絡まないように小さなクッションに巻かれたブレスレットを取り出した。

「わぁ、やっぱり綺麗だなぁ」

 ゆっくりとミニクッションからブレスレットを外す。シーリングライトの光にかざすと、ブレスレット全体がキラキラと輝いて胸がときめいた。

「せっかく素敵なブレスレットを貰ったんだから、大切にしなきゃ!」

 私は立ち上がると、部屋の隅にあるドレッサーへと向かった。お気に入りのピンクのドレッサーには、コスメとアクセサリーを置いている。
 ドレッサーと同色の椅子を引いて座り、アクセサリーボックスの引き出しのひとつを開けた。この段には、ネックレスやブレスレットを収納出来るようになっている。

「ブレスレットは、宝物の指輪の隣に置こう」

 いつも身に着けている、王冠型の指輪をトップにしたネックレスの隣に、貰ったブレスレットをチェーンに気を付けながら収める。

 十一年前に指輪を貰って以来、私はアクセサリーが大好きになった。お小遣いを貯めては買い集めたし、将来、Angeのお店で働く夢を持った。
 その夢を叶えたことは、私の唯一の自慢と言ってもいい。
 色々なアクセサリーを手にしてきたけれど、私にとって一番の宝物は、長らくこの指輪だった。
 だけど今日、新しい宝物が仲間入りした。
< 24 / 108 >

この作品をシェア

pagetop