エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
 今日の午後は、Ange新宿店へと出向く予定になっている。
 目的は企画実施に向けた下見。
 そう、私の考えた企画がついに採用されることになったんです!

 新宿駅に着いた私は、近くのファッションビルを目指して歩を進める。
 Ange新宿店は、私が二年前に店員として働いていた店舗だ。

「店長の高橋(たかはし)響子(きょうこ)さんは、頼れるアネゴ肌で素敵な人なんですよ。今でも、たまに飲みに連れて行ってもらってるんです」

 私の説明に、並んで歩く御堂課長が「なるほど」と頷く。

「Ange新宿店は売上も良くて、特にリピーターが多いと聞く。高橋店長の能力の高さは、社内でも評価されているな」

「ええ。お客様が響子さんのファンになるんですよね。彼女自身のSNSも人気がありますよ」

 今回の下見は、御堂課長とふたりで行う。
 銀座での店舗視察以来、私は御堂課長相手にあまり緊張しなくなった。彼と接するうちに、クールな外見とは裏腹の優しい性格に気付けたからだ。
 とはいえ、混雑する新宿駅構内であって、見目麗しい御堂課長はとても人目を引く。
 そんな彼の隣に並ぶ自分が、いたたまれない気持ちになってしまうのも事実だった。
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