エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
「まず、お店がとっても可愛かったです。パリにあるカフェをイメージしてるんですけど、もう別世界で! たくさん写真を撮っちゃいました。後は、店員さんも皆お洒落で優しくて、色々と相談に乗ってくれました。サイトで買うと、本当に自分に似合っているのか不安になっちゃうから、店員さんに『可愛い』って言ってもらえて嬉しかったです」

 熱っぽく語ってから、あ、喋り過ぎたかな、と思って恥ずかしくなる。
 お兄さんはそんな私を見て、優しく微笑んだ。

「君はファッションが好きなんだな」

「はい。服は毎日着ますから、自分の気に入った物を選んだ方がいいに決まってます。それに、」

 私はショッパーの中を見つめる。先ほど奮発して買ったのは、花柄が愛らしいワンピースだ。袖がシフォンの切り替えになっていて、可愛くて一目惚れした。

「綺麗なお洋服は、私の日常をキラキラと輝かせてくれます。まるで素敵な魔法みたいです」

 言い切ってからお兄さんと目が合うと、急に照れが出てきた。

「あ、すみません。何だかポエムっぽかったですね。私、夢見がちだってよく言われるんです」

 すると、お兄さんは首を横に振る。

「いや、良い意見を聞かせてもらった。どうもありがとう」

 そして、見惚れちゃうようなカッコいい笑顔を見せた。

「……」

 ドキドキして言葉を発せなくなった私をよそに、お兄さんは革製のトートバッグから何かを取り出す。

「お礼といっては何だが、これを君に」

 そう言って手渡してきたのは、小さな紙袋。「Ange」って店名ロゴが入っている。
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