エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
十一年前に会った、名前も知らないお兄さん。ほんのひとときを共にしただけの人だけど、感謝の気持ちは今も私の中にある。
「そうですね、会ってお礼を言いたいです。当時のことだけじゃなくて、あの日、指輪を貰ったのがきっかけでAngeで働く夢を持ちましたから、それについてのお礼も」
「そうか。Angeの指輪が、君の人生を変えたのか……」
思案顔の御堂課長に、私はこう言い添える。
「ええ。勿論、良い方向に」
MIDOUで、Angeで働くようになって、上手くいかないこともたくさんあった。
それに、不良の男の子たちに絡まれた一件以来、私は異性に触れられるのが怖くなってしまった。
楽しいばかりではない人生。
でも、私はこの指輪の思い出を、なかったことにはしたくないから。
「でも、お兄さんは私を忘れちゃっているでしょうね」
苦笑する私に、御堂課長は優しく応える。
「覚えているさ。彼は藤島さんの言葉を大切にしているのだから」
どうしてだろう。その口調、その眼差しが、指輪をくれたお兄さんの姿と重なった。
もしかしたら、先日、御堂課長にブレスレットを貰ったからかもしれない。
宝物をくれたカッコいい人という共通点があるもの。
穏やかな時間の中で、私はきっと素敵な大人の男性になっているであろう、お兄さんのことを思った。
「そうですね、会ってお礼を言いたいです。当時のことだけじゃなくて、あの日、指輪を貰ったのがきっかけでAngeで働く夢を持ちましたから、それについてのお礼も」
「そうか。Angeの指輪が、君の人生を変えたのか……」
思案顔の御堂課長に、私はこう言い添える。
「ええ。勿論、良い方向に」
MIDOUで、Angeで働くようになって、上手くいかないこともたくさんあった。
それに、不良の男の子たちに絡まれた一件以来、私は異性に触れられるのが怖くなってしまった。
楽しいばかりではない人生。
でも、私はこの指輪の思い出を、なかったことにはしたくないから。
「でも、お兄さんは私を忘れちゃっているでしょうね」
苦笑する私に、御堂課長は優しく応える。
「覚えているさ。彼は藤島さんの言葉を大切にしているのだから」
どうしてだろう。その口調、その眼差しが、指輪をくれたお兄さんの姿と重なった。
もしかしたら、先日、御堂課長にブレスレットを貰ったからかもしれない。
宝物をくれたカッコいい人という共通点があるもの。
穏やかな時間の中で、私はきっと素敵な大人の男性になっているであろう、お兄さんのことを思った。