エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
第三章

温かな愛に包まれて

 今日は一日会社に籠って、Ange(アンジュ) Premier(プルミエ)の広告案を練っている。具体的なデザインはデザイナーさんにお任せするけれど、コンセプトや大体の方向性を企画部で決めてから依頼するので、こちらも色々と考える必要があるのだ。

 午前中に打ち合わせを終えて、午後は各自案出しのための時間。
 今はデザインのアイディアを得るために、資料室に参考になりそうな本を探しに来たところ。

「あ、丁度良い雑誌発見」

 ウェディング情報誌を見つけて、早速、閲覧用の席でパラパラと捲ってみる。
 厳かな雰囲気のチャペルの中、純白のウェディングドレスに身を包んだ新婦が、新郎と寄り添っている写真が目に入った。

「綺麗だなぁ……」

 男性を怖がる自分が、誰かと結婚出来る確率は低いだろう。
 それでも、こうしてブライダルリングのブランド立ち上げに携わり、幸せな結婚風景に触れていると、胸がときめく。
 私もこんな経験をしてみたいと、憧れてしまう。
 うっとりと雑誌を眺めていたから、背後に立つ人物に気付かなかった。

「熱心に見ているね」

「ひゃっ!? あっ、野田(のだ)さん」

 声を上げて驚く私を、野田さんが苦笑しつつ眺めている。
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