エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
 やがて車は、私の住むマンションの前に到着した。空きスペースに車を停めてから、御堂課長は運転席から降りて、助手席のドアを開けてくれる。

「鞄を持とう。嫌じゃなければ、俺に掴まってもいいから」

「ありがとうございます」

 御堂課長は医務室に連れて行った時と同じように、私の身体をそっと支えてくれた。さっきは本当に具合が悪かったから、彼に寄りかかれたけれど……今は、そんなこと出来ない。御堂課長の手が触れているところが、じんわりと熱を持って私を緊張させる。
 そのまま、エレベーターに乗って私の部屋へと向かった。

 自室に辿り着き、私はジャケットのポケットから鍵を取り出してドアを開けた。
 御堂課長は玄関先に私の鞄を置くと、

「じゃあ、俺はここで。もし体調が戻らなかったら、明日の朝にメールしてくれ」

 そう言って部屋を出て行こうとする。

「待ってください」

 私は御堂課長のスーツの裾をギュッと掴んだ。

「何かあったのか?」

 心配そうに私を見る彼に、心が揺れる。

「何もありません。でも、行かないでください」

「藤島さん?」

「私、御堂課長に触れられるのは平気なんです。思えば、初めて出会った時から」

 目を見開いた御堂課長に、私は続けて言った。
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