エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
婚約者の正体
篠崎さんが征士さんの婚約者だと聞いて以来、私の心は重く沈んだままだった。
「乃愛、どうかしたか?」
「えっ」
征士さんの声で我に返る。いけない、ぼーっとしてた。
今日は仕事終わりに、私の部屋で征士さんに手料理を振る舞っている。
終業が早い私が先に帰宅して料理を作り、後からやって来た征士さんを出迎えた。
今はローテーブルを囲んで、手作りのハンバーグやシーザーサラダを食べているところ。
「仕事が忙しいのに料理までさせて、疲れただろう」
「いえ、そんなことは。簡単な物なら普段から作っているので」
「それは感心だ。俺なんて、外で済ませることが多いからな」
「征士さんは、私よりもお忙しいですから」
いつも通りの温かな時間のはずなのに、私の心中は複雑だ。
――征士さん。篠崎さんは、あなたの婚約者なんですか?
すぐにでも聞いてみたいのに、出来ない。
場の空気が悪くなるし……もし、その話が本当だったら? そう思うと、今の穏やかな時間を壊したくない気持ちが勝る。
それだけ、私はこの人から離れたくないのだった。
「乃愛、どうかしたか?」
「えっ」
征士さんの声で我に返る。いけない、ぼーっとしてた。
今日は仕事終わりに、私の部屋で征士さんに手料理を振る舞っている。
終業が早い私が先に帰宅して料理を作り、後からやって来た征士さんを出迎えた。
今はローテーブルを囲んで、手作りのハンバーグやシーザーサラダを食べているところ。
「仕事が忙しいのに料理までさせて、疲れただろう」
「いえ、そんなことは。簡単な物なら普段から作っているので」
「それは感心だ。俺なんて、外で済ませることが多いからな」
「征士さんは、私よりもお忙しいですから」
いつも通りの温かな時間のはずなのに、私の心中は複雑だ。
――征士さん。篠崎さんは、あなたの婚約者なんですか?
すぐにでも聞いてみたいのに、出来ない。
場の空気が悪くなるし……もし、その話が本当だったら? そう思うと、今の穏やかな時間を壊したくない気持ちが勝る。
それだけ、私はこの人から離れたくないのだった。