エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
「Ange Premierの製品紹介は、俺が担当する」
資料を確認しながら、征士さんが告げた。彼はプロジェクトリーダーでMIDOUの次期社長だから、代表して人前に出るのは当然のこと。
おまけに征士さんは見栄えのする美形だ。ホテルの雰囲気と相まって、華やかな場になりそう。
今日の会議には、篠崎さんもアドバイザーとして来ている。ジュエリーショップの経営に携わる彼女は、こういったイベントの演出に長けているらしい。
篠崎さんが、資料を見て目を輝かせる。
「当日は、プロのモデルさんによる模擬結婚式があるのね。楽しみだわ」
「ああ。ホテル併設のチャペルで、実際に指輪を交換するシーンを見せる。今後は、ホテルと提携したウェディングプランも打ち出す予定だ」
征士さんの言葉に、篠崎さんが手をパンと合わせた。
「いいことを思い付いたわ! 征士が新郎役をやればいいのよ。そこら辺のモデルよりイケメンなんだから」
「何を言ってるんだ。そこはプロに任せるべきだろう」
苦笑する征士さん。一方で、プロジェクトメンバーは皆、篠崎さんの提案に賛同した。
「それ、いいですね!」
「MIDOUの次期社長がモデルをやったら、話題になりそうだよね」
「製品をよく知っている人が、モデルになった方が良いですよ」
口々に言うメンバーに対して、征士さんは渋い顔だ。
「勝手にそんなことをしたら、社長から苦言を受けるぞ」
すると、篠崎さんがフフッと楽しそうに笑った。
「そうかしら? あなたのお父さんなら、面白がってこの案を採用しそうだけど」
どうやらそれは図星だったらしく、征士さんは反論出来ずに黙り込んでしまった。
篠崎さんがニコニコと私を見つめる。
「新婦役は当然、藤島さんよね。征士の大事な恋人なんだから。さ〜て、どんなウェディングドレスを着せようかしら? 腕が鳴るわ〜!」
場がしんと静まり返った。
私も征士さんも、目を見開いたまま固まってしまう。
私たちが付き合っていることは、まだ周りには秘密にしていたんだよね……。
「えぇぇっ!?」
大声を出して驚く、プロジェクトメンバーの面々。
「あら、まさか皆知らなかったの? 私ったら、また余計なことを言ったみたいね」
バツの悪そうな顔をする篠崎さん。
この後、隣の会議室から「騒がしい」と苦情が来てしまった。
資料を確認しながら、征士さんが告げた。彼はプロジェクトリーダーでMIDOUの次期社長だから、代表して人前に出るのは当然のこと。
おまけに征士さんは見栄えのする美形だ。ホテルの雰囲気と相まって、華やかな場になりそう。
今日の会議には、篠崎さんもアドバイザーとして来ている。ジュエリーショップの経営に携わる彼女は、こういったイベントの演出に長けているらしい。
篠崎さんが、資料を見て目を輝かせる。
「当日は、プロのモデルさんによる模擬結婚式があるのね。楽しみだわ」
「ああ。ホテル併設のチャペルで、実際に指輪を交換するシーンを見せる。今後は、ホテルと提携したウェディングプランも打ち出す予定だ」
征士さんの言葉に、篠崎さんが手をパンと合わせた。
「いいことを思い付いたわ! 征士が新郎役をやればいいのよ。そこら辺のモデルよりイケメンなんだから」
「何を言ってるんだ。そこはプロに任せるべきだろう」
苦笑する征士さん。一方で、プロジェクトメンバーは皆、篠崎さんの提案に賛同した。
「それ、いいですね!」
「MIDOUの次期社長がモデルをやったら、話題になりそうだよね」
「製品をよく知っている人が、モデルになった方が良いですよ」
口々に言うメンバーに対して、征士さんは渋い顔だ。
「勝手にそんなことをしたら、社長から苦言を受けるぞ」
すると、篠崎さんがフフッと楽しそうに笑った。
「そうかしら? あなたのお父さんなら、面白がってこの案を採用しそうだけど」
どうやらそれは図星だったらしく、征士さんは反論出来ずに黙り込んでしまった。
篠崎さんがニコニコと私を見つめる。
「新婦役は当然、藤島さんよね。征士の大事な恋人なんだから。さ〜て、どんなウェディングドレスを着せようかしら? 腕が鳴るわ〜!」
場がしんと静まり返った。
私も征士さんも、目を見開いたまま固まってしまう。
私たちが付き合っていることは、まだ周りには秘密にしていたんだよね……。
「えぇぇっ!?」
大声を出して驚く、プロジェクトメンバーの面々。
「あら、まさか皆知らなかったの? 私ったら、また余計なことを言ったみたいね」
バツの悪そうな顔をする篠崎さん。
この後、隣の会議室から「騒がしい」と苦情が来てしまった。