エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
私と征士さんがお付き合いしていることは、あっという間に社内に広がった。
意外にも、私に対する批判的な声は届いていない。
沙希曰く、
「前々から、ふたりが付き合ってるんじゃないかって噂があったのよ。だから、やっぱりねって感じ。皆が御堂課長の交際を認めてくれたのは、相手が乃愛だからよ。真面目で可愛いし。今回のプロジェクトも頑張ってたしさ」
とのことだけど、本当かな?
そして、この事実を知ったMIDOUの社長――征士さんのお父様から、直々に模擬結婚式参加への打診があった。
「征士から話を聞いたよ。一度会っただけの相手と十一年振りに再会したなんて、ロマンチックだね〜! 今後とも征士をよろしく頼むよ」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
社長室に呼び出された私は、にこやかに話す社長の前で緊張しながらお辞儀をした。
征士さんとは家柄諸々釣り合わない私に対して、好意的でいてくださるのには驚いたけれど、とても嬉しかった。
「Angeは親しみやすさが魅力のブランドだから、模擬結婚式の花嫁役はプロのモデルじゃなくて、藤島さんにお願いしたいんだ。Angeをずっと好きでいてくれた君にね。どうかな?」
社長が私の様子を窺うように首を傾げる。社長直々にお願いされたとあっては、模擬結婚式への参加は断れないよね……。
私はとうとう覚悟を決めた。
「はい。Angeのお役に立てるのでしたら、謹んでお受けいたします」
意外にも、私に対する批判的な声は届いていない。
沙希曰く、
「前々から、ふたりが付き合ってるんじゃないかって噂があったのよ。だから、やっぱりねって感じ。皆が御堂課長の交際を認めてくれたのは、相手が乃愛だからよ。真面目で可愛いし。今回のプロジェクトも頑張ってたしさ」
とのことだけど、本当かな?
そして、この事実を知ったMIDOUの社長――征士さんのお父様から、直々に模擬結婚式参加への打診があった。
「征士から話を聞いたよ。一度会っただけの相手と十一年振りに再会したなんて、ロマンチックだね〜! 今後とも征士をよろしく頼むよ」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
社長室に呼び出された私は、にこやかに話す社長の前で緊張しながらお辞儀をした。
征士さんとは家柄諸々釣り合わない私に対して、好意的でいてくださるのには驚いたけれど、とても嬉しかった。
「Angeは親しみやすさが魅力のブランドだから、模擬結婚式の花嫁役はプロのモデルじゃなくて、藤島さんにお願いしたいんだ。Angeをずっと好きでいてくれた君にね。どうかな?」
社長が私の様子を窺うように首を傾げる。社長直々にお願いされたとあっては、模擬結婚式への参加は断れないよね……。
私はとうとう覚悟を決めた。
「はい。Angeのお役に立てるのでしたら、謹んでお受けいたします」