100日後、キミのいない世界で生きていく

君の特別になりたいだけ

太陽みたいに明るくてそこにいるだけでみんなが惹き寄せられる、陽菜乃はそんな魅力を持っていたよね。

ずっと羨ましかった。

嫌われ者の若菜と違って、陽菜乃はみんなを笑顔にして好きにさせるから、だから若菜はずっと陽菜乃みたいになりたかったの–––。



「…また、か」


靴箱の前で小さくため息をつく。

昨日と同じく、上履きだけが綺麗になくなっていた。

ここ最近、小さな嫌がらせがずっと続いている。


まあその原因は…。


「またなくなってんの?」

「ひゃ…っ。…莉久」


急に耳元で囁かれ驚いて振り向くと、眠そうにポケットに両手を突っ込んでいた莉久が私の頭に顎を乗せて靴箱を覗いてきた。


「犯人探そうか?俺の女に手出すなーって言ってやるよ」

「やめてよ…。それにどうせ莉久はそんなこと言わないでしょ」
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