100日後、キミのいない世界で生きていく
「そのままどこかに遊びに行ってきてもいいからね」

「はは…考えとくよ」


きっと私はお母さんの期待には応えないで、牛乳二本を買って早々に帰ってくるだろう。

だけどこれ以上お母さんの機嫌を損ねても後々私が面倒になるだけだろうから、愛想笑いを返しておく。


家を出た瞬間に感じる夏独特の蒸し暑さに、早くも出かけたことを後悔する。

時刻は午後五時を過ぎているというのに辺りはまだ明るく、少し歩いただけでもシャツが汗で張りついてくる。


「はー…極楽」


蒸し地獄を耐え抜いて近くのコンビニに入ると、外とは打って変わって冷蔵庫のようにキンキンに冷えている店内に思わず声が漏れる。


「…どこの親父かと思ったら、陽菜乃かよ」

「うわぁ!?」


急に後ろから話しかけられて、驚いて飛び上がる。


「…眞紘?」


紺色の半袖ストライプシャツに黒のズボンとシンプルな服装の眞紘が、「よっ」と片手を上げてきた。
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