あれからの僕達が。
口付けられた僕はたちまちの内に鼻にかかった声をこぼしてしまう。


緑風が触れているのは、僕の肩に置かれた手とそっと支えるように添えられた僕の頬に触れる指だけ、の筈なのに。


まるで生き物のように、蠢いて口の中を犯し尽くす緑風の舌に翻弄された僕は、掛けているベンチの背もたれに、体重を預けてしまいながらゆっくりとせり上がってくるむず痒いような感覚と戦っていた。


ぞわぞわとしたソレは、背中をかけあがり、腰の辺りに重く漂う。


そして僕はたまらない思いで音を上げた。
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