ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
3 観察
(いい天気だなぁ)
屋敷内にある小さな庭園のガゼボで、キャロラインは一人お茶をしていた。ぽかぽかとした陽気だったので、日向ぼっこも兼ねている。
キャロラインが頭を打って転生前の記憶を思い出してから一週間が経った。その間、メイドや屋敷内の人たちとは少しずつ打ち解け始めたように思う。
だが、クロークとはほぼ接点がなく、たまに顔を合わせてもキャロラインへ冷ややかな瞳をむけるだけで、そのまま通り過ぎてしまう。
(夫婦なのに朝食も夕食も毎回別だなんて相当嫌われているのね、私)
クロークは公爵家の次男だが騎士であり、すでに自分の屋敷を構えている。キャロラインがいるのもクロークの屋敷だ。騎士ゆえに忙しいのは当たり前で、食事が別になるのは致し方ないとは思う。
だが、クロークの場合は忙しいというだけではなく、明らかにキャロラインを避けているのだ。
(話ができないとなると対応が何もできない)
どうしたらクロークと近づくことができるだろうか?一人で悶々としながらお茶を静かにすすっていると、足音が近づいてくる。
視線を送ると、そこにはクロークとレオがいた。
(えっ!?クローク様!?)
クロークは綺麗なオッドアイをキャロラインに向けて見つめている。
「今日はお休みなのですか?」
「ああ」
クロークは騎士服ではなくシャツにスラックスというラフな服装だ。
「ティーカップが空になってる、入れよう」
そう言って、クロークはティーポットを持つと、カップのはるか頭上からお茶をドボドボと注いでいく。あまりにカップから離れているので、お茶は溢れ跳ねている。
「熱っ」
まだ冷めていないお茶は、キャロラインの手に跳ねて当たる。手だけてなく、ドレスにも飛び跳ねてドレスのあちこちにシミができていた。
屋敷内にある小さな庭園のガゼボで、キャロラインは一人お茶をしていた。ぽかぽかとした陽気だったので、日向ぼっこも兼ねている。
キャロラインが頭を打って転生前の記憶を思い出してから一週間が経った。その間、メイドや屋敷内の人たちとは少しずつ打ち解け始めたように思う。
だが、クロークとはほぼ接点がなく、たまに顔を合わせてもキャロラインへ冷ややかな瞳をむけるだけで、そのまま通り過ぎてしまう。
(夫婦なのに朝食も夕食も毎回別だなんて相当嫌われているのね、私)
クロークは公爵家の次男だが騎士であり、すでに自分の屋敷を構えている。キャロラインがいるのもクロークの屋敷だ。騎士ゆえに忙しいのは当たり前で、食事が別になるのは致し方ないとは思う。
だが、クロークの場合は忙しいというだけではなく、明らかにキャロラインを避けているのだ。
(話ができないとなると対応が何もできない)
どうしたらクロークと近づくことができるだろうか?一人で悶々としながらお茶を静かにすすっていると、足音が近づいてくる。
視線を送ると、そこにはクロークとレオがいた。
(えっ!?クローク様!?)
クロークは綺麗なオッドアイをキャロラインに向けて見つめている。
「今日はお休みなのですか?」
「ああ」
クロークは騎士服ではなくシャツにスラックスというラフな服装だ。
「ティーカップが空になってる、入れよう」
そう言って、クロークはティーポットを持つと、カップのはるか頭上からお茶をドボドボと注いでいく。あまりにカップから離れているので、お茶は溢れ跳ねている。
「熱っ」
まだ冷めていないお茶は、キャロラインの手に跳ねて当たる。手だけてなく、ドレスにも飛び跳ねてドレスのあちこちにシミができていた。