ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
◆
(やっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったよ!うわあああああんんんん)
クロークの前から立ち去り、急いで自室に戻ってきたキャロラインはベッドに勢いよくダイブすると枕に顔を埋めて唸っていた。殺されたくないからクロークとなんとか距離を縮めていく筈だった。なのに、キャロラインはそれとは真逆のことをしてしまったのだ。
ガゼボでのクロークの態度を思い出してキャロラインはため息をつく。
(だって、あんなの、ただの性格の悪いモラハラ夫じゃない)
クロークはそもそも性格に難がある。いつも無表情で感情が読みにくく、誰に対してもいつも冷ややかな視線を向ける。それはわかっていたことだ。だが、生い立ちがそうさせてしまったことも一理あるし、何より小説の中のクロークは良い所だってあるのだ。
でも、あのクロークは明らかに性格がよろしく無い。そしてそんな行動をとらせてしまったのは、やはり頭を打つ前のキャロラインのせいだ。
(でも、やっぱりあんなことは許せない。お茶を淹れてくれたユリアにも失礼だし、お茶を作ってくれた生産者にも失礼、ドレスを作ってくれた職人さんにも失礼よ)
自分にされたことにも腹が立つが、それ以外にも無性に腹が立つ。
(クローク様と距離を縮めるなんてもう無理な気がしてきた……)
自分がしたことに後悔はない。でも、きっとクロークはあれだけでは何も思うことはないだろう。ただキャロラインに対して腹が立つだけだ。このままでは、当初の計画が全ておじゃんになってしまう。
ひたひたとにじみ寄る死期に、ただただ怯える、はずだった。
(やっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったやっちゃったよ!うわあああああんんんん)
クロークの前から立ち去り、急いで自室に戻ってきたキャロラインはベッドに勢いよくダイブすると枕に顔を埋めて唸っていた。殺されたくないからクロークとなんとか距離を縮めていく筈だった。なのに、キャロラインはそれとは真逆のことをしてしまったのだ。
ガゼボでのクロークの態度を思い出してキャロラインはため息をつく。
(だって、あんなの、ただの性格の悪いモラハラ夫じゃない)
クロークはそもそも性格に難がある。いつも無表情で感情が読みにくく、誰に対してもいつも冷ややかな視線を向ける。それはわかっていたことだ。だが、生い立ちがそうさせてしまったことも一理あるし、何より小説の中のクロークは良い所だってあるのだ。
でも、あのクロークは明らかに性格がよろしく無い。そしてそんな行動をとらせてしまったのは、やはり頭を打つ前のキャロラインのせいだ。
(でも、やっぱりあんなことは許せない。お茶を淹れてくれたユリアにも失礼だし、お茶を作ってくれた生産者にも失礼、ドレスを作ってくれた職人さんにも失礼よ)
自分にされたことにも腹が立つが、それ以外にも無性に腹が立つ。
(クローク様と距離を縮めるなんてもう無理な気がしてきた……)
自分がしたことに後悔はない。でも、きっとクロークはあれだけでは何も思うことはないだろう。ただキャロラインに対して腹が立つだけだ。このままでは、当初の計画が全ておじゃんになってしまう。
ひたひたとにじみ寄る死期に、ただただ怯える、はずだった。