ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
5 瞳の色のドレス
(あれは本当にキャロライン本人なのか?)
キャロラインの部屋から自室に戻ると、クロークは昼間の会話から食事、先ほどのキャロラインの部屋での会話を反芻し神妙な顔で床を見つめていた。
昼間、わざとキャロラインが怒るであろうことをしてみた。いままでのキャロラインであれば、恐らくは喚き散らかしてティーカップ、もしくはティーポットごとこちらへ投げつけてきただろう。それなのに、ただ淡々とこちらへ説教をして、去り際にはメイドへ気遣う様子を見せた。
食事では、あんなにまずいと言っていた料理を本当に美味しそうに食べ、クロークが同じ席にいても嫌がるどころか失礼なことを言ったと謝罪までしてきた。
キャロラインの部屋では、絶対に触れるなと言っていたくせに、嫌がるどころかまるで初心な少女のように顔を赤らめ戸惑う様子を見せる。
(信じられない。頭を打つだけであんなにも人が変わってしまうものなのか?だが、顔合わせの時に俺へ向けた失礼な言葉を覚えていた。あれは間違いなくキャロラインなのだろうな)
信じられないが信じざるを得ない状況にクロークは戸惑う。キャロラインを観察すると言ってはみたが、これは観察のしがいがありそうだ。
それに、頭を打った翌日、キャロラインの部屋でキャロラインが机の引き出しに慌てて隠したものも気になる。あれは一体なんなのだろうか、もしかしたら自分たちを騙すための策があの中に秘められているのかもしれない。
(実は我々を欺いている可能性もあるし、そうでなくとも頭を打って人が変わったとなれば、もしかしたら日が経てばまた元に戻るかもしれない。油断はできないな)
キャロラインの部屋から自室に戻ると、クロークは昼間の会話から食事、先ほどのキャロラインの部屋での会話を反芻し神妙な顔で床を見つめていた。
昼間、わざとキャロラインが怒るであろうことをしてみた。いままでのキャロラインであれば、恐らくは喚き散らかしてティーカップ、もしくはティーポットごとこちらへ投げつけてきただろう。それなのに、ただ淡々とこちらへ説教をして、去り際にはメイドへ気遣う様子を見せた。
食事では、あんなにまずいと言っていた料理を本当に美味しそうに食べ、クロークが同じ席にいても嫌がるどころか失礼なことを言ったと謝罪までしてきた。
キャロラインの部屋では、絶対に触れるなと言っていたくせに、嫌がるどころかまるで初心な少女のように顔を赤らめ戸惑う様子を見せる。
(信じられない。頭を打つだけであんなにも人が変わってしまうものなのか?だが、顔合わせの時に俺へ向けた失礼な言葉を覚えていた。あれは間違いなくキャロラインなのだろうな)
信じられないが信じざるを得ない状況にクロークは戸惑う。キャロラインを観察すると言ってはみたが、これは観察のしがいがありそうだ。
それに、頭を打った翌日、キャロラインの部屋でキャロラインが机の引き出しに慌てて隠したものも気になる。あれは一体なんなのだろうか、もしかしたら自分たちを騙すための策があの中に秘められているのかもしれない。
(実は我々を欺いている可能性もあるし、そうでなくとも頭を打って人が変わったとなれば、もしかしたら日が経てばまた元に戻るかもしれない。油断はできないな)