ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
「君は本当におかしいんじゃないのか?この瞳が呪われた瞳なのは間違いないし、それを不吉だと思うのは当然だろう」
「でも、呪われた瞳というのは古い言い伝えなだけですよね。実際に不吉なことなんて何もないし、そもそも実証はないんですよ?それなのに、ただ瞳の色が左右違うというだけで、人と違うというだけで勝手に呪いだと決めつけて、ただ古くから言われていることをそのまま鵜呑みにするなんて、おかしいと思います」
思い込みや決めつけだけで勝手に他者を否定したり非難したりするような人間が、キャロラインは転生前から好きではなかった。クロークの瞳も、実際に不吉なことがあるわけではなく、ただ昔からの言い伝えをそのまま鵜呑みにして周りが勝手にクロークを呪われた人間だと言っているだけなのだ。
「君は……本当に不思議だな。頭を打ってこうも変わるとは……今までとは全くの正反対じゃないか」
「うっ……それを言われると、胸が痛いですが」
頭を打つ前の自分の行動を思い出して、キャロラインは苦々しい顔になる。だが、クロークはそんなキャロラインを見てほんの少しだけ微笑んでいた。
(えっ、クローク様が、微笑んでる?)
「なんだ、どうかしたのか?」
珍しいものを見るかのようにじーっとクロークを見つめるキャロラインを不審に思ったのだろう、クロークがすぐ微笑みを消して不審そうな顔をする。
「あ、いえ、なんでもありません」
小説の中でもクロークが微笑むことは稀にある。だがそれは全てヒロインの前でだけだ。キャロラインの前で微笑むことなど一度もない。
(なんだかとても貴重なものを見れた気がする!)
首を傾げつつもまた窓の外を見始めたクロークを、キャロラインは嬉しそうに見つめた。
「でも、呪われた瞳というのは古い言い伝えなだけですよね。実際に不吉なことなんて何もないし、そもそも実証はないんですよ?それなのに、ただ瞳の色が左右違うというだけで、人と違うというだけで勝手に呪いだと決めつけて、ただ古くから言われていることをそのまま鵜呑みにするなんて、おかしいと思います」
思い込みや決めつけだけで勝手に他者を否定したり非難したりするような人間が、キャロラインは転生前から好きではなかった。クロークの瞳も、実際に不吉なことがあるわけではなく、ただ昔からの言い伝えをそのまま鵜呑みにして周りが勝手にクロークを呪われた人間だと言っているだけなのだ。
「君は……本当に不思議だな。頭を打ってこうも変わるとは……今までとは全くの正反対じゃないか」
「うっ……それを言われると、胸が痛いですが」
頭を打つ前の自分の行動を思い出して、キャロラインは苦々しい顔になる。だが、クロークはそんなキャロラインを見てほんの少しだけ微笑んでいた。
(えっ、クローク様が、微笑んでる?)
「なんだ、どうかしたのか?」
珍しいものを見るかのようにじーっとクロークを見つめるキャロラインを不審に思ったのだろう、クロークがすぐ微笑みを消して不審そうな顔をする。
「あ、いえ、なんでもありません」
小説の中でもクロークが微笑むことは稀にある。だがそれは全てヒロインの前でだけだ。キャロラインの前で微笑むことなど一度もない。
(なんだかとても貴重なものを見れた気がする!)
首を傾げつつもまた窓の外を見始めたクロークを、キャロラインは嬉しそうに見つめた。