ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
「なるほどな、そういうものか。だとしたら」
そう言って、クロークは背もたれから体を離し、ズイッとキャロラインの顔の前に身を乗り出した。
(えっ!?ち、近い近い近い近い!)
突然目の前にあるクロークの美しい顔に、キャロラインは顔を真っ赤にする。
「俺が君のヒーローになる。羨ましかったんだろう?」
「……ええっ!?はいいっ!?でも、クローク様はこれからヒロインに恋するはず」
「それは小説の中の話だろう。だがここは小説の中じゃない。君にとってはそうかもしれないが、俺にとってはここはリアルな世界だ。勝手に俺の気持ちを見知らぬ誰かに決められるのは気に食わない。俺の相手は俺自身が決める」
クロークはキャロラインの髪の毛にそっと口づけてからそう言う。
(う、半端ない色気!な、何、この人!なんでそうなるの!?)
ヒロインたちに会う前にクロークと仲良くなっておけば、クロークのヒロインに対する無茶な行動を阻止することができる、そう思っていた。だが、もはや仲良くなるを飛び越えて、キャロラインはクロークに気に入られてしまったようだ。
そういえば、小説の中でもクロークはヒロインを気に入った途端にデレ始め、ヒロインにグイグイ迫っていく。愛に飢えているがゆえに、気に入ったものを見つけると手放したくない、そばに置いておきたいと思ってしまうのだろう。
(なんか予定より全然違くなってしまった気がするのだけれど……これはこれでいいのかな?)
おそらく、クロークがヒロインに対して無茶をすることはないだろうし、自分もクロークに殺されることはないだろう。多分。だが、予想外のことばかり起きているのだ。万が一ということもある、気を引き締めておかないと、とキャロラインは意気込んだ。
「それで、兄たちに会うのは確か、君の実家が主催する社交パーティーの日だったな」
「そうです、小説通りに行けば、まだ少し先の話だとは思うのですが」
そう、思っていたのだが。その日は予定よりもうんと早く訪れることになった。
そう言って、クロークは背もたれから体を離し、ズイッとキャロラインの顔の前に身を乗り出した。
(えっ!?ち、近い近い近い近い!)
突然目の前にあるクロークの美しい顔に、キャロラインは顔を真っ赤にする。
「俺が君のヒーローになる。羨ましかったんだろう?」
「……ええっ!?はいいっ!?でも、クローク様はこれからヒロインに恋するはず」
「それは小説の中の話だろう。だがここは小説の中じゃない。君にとってはそうかもしれないが、俺にとってはここはリアルな世界だ。勝手に俺の気持ちを見知らぬ誰かに決められるのは気に食わない。俺の相手は俺自身が決める」
クロークはキャロラインの髪の毛にそっと口づけてからそう言う。
(う、半端ない色気!な、何、この人!なんでそうなるの!?)
ヒロインたちに会う前にクロークと仲良くなっておけば、クロークのヒロインに対する無茶な行動を阻止することができる、そう思っていた。だが、もはや仲良くなるを飛び越えて、キャロラインはクロークに気に入られてしまったようだ。
そういえば、小説の中でもクロークはヒロインを気に入った途端にデレ始め、ヒロインにグイグイ迫っていく。愛に飢えているがゆえに、気に入ったものを見つけると手放したくない、そばに置いておきたいと思ってしまうのだろう。
(なんか予定より全然違くなってしまった気がするのだけれど……これはこれでいいのかな?)
おそらく、クロークがヒロインに対して無茶をすることはないだろうし、自分もクロークに殺されることはないだろう。多分。だが、予想外のことばかり起きているのだ。万が一ということもある、気を引き締めておかないと、とキャロラインは意気込んだ。
「それで、兄たちに会うのは確か、君の実家が主催する社交パーティーの日だったな」
「そうです、小説通りに行けば、まだ少し先の話だとは思うのですが」
そう、思っていたのだが。その日は予定よりもうんと早く訪れることになった。