いじめ…くずれていく

「あたしはやらないよ、シンナーなんて」


芽亜利の口からは、そんな言葉が出た。


「はぁ?お前、何いい子ぶってんの?」


あたしがそう言うと、芽亜利がぎっとにらみながら


「いい子ぶってなんかない!あたしは…人生をこんな薬品でくずしたくないの!あたしはあんたたちみたいに人生まだくずれてないの!そうやって仲間を引き込む事しかできないんでしょ?そんな人とあたしは一緒にいたくない!」


そう言って芽亜利はそのまま立ち去った。


「なんなのあいつ?」

「何かやーな感じ!」


シンナーを吸っている仲間達はそう言いあっていた。


あたしは何だか…


心が洗われたような気がした。


今まで大切なものを忘れていたんじゃないか…


そんな風に思えた。
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