君がくれた初恋

別の手が横からのびてきてその手を掴んだ。


安心とびっくりが混ざる複雑な気持ちで見ると、後ろにいた同じ制服の男子高校生だった。


この学校では学年ごとにカラーがあり、私たちの学年が水色。


それがリボンやネクタイの色になるのだ。


この人も水色だから、同い年だな。


「その子、嫌がってるよ、ジジィ。いいかげん身の程をわきまえろよ」


それだけいうと、ちょうど次の駅が学校の最寄りだったためおじさんとその男の子と3人で降りて駅員室に向かった。


それからその人は現行犯の証言を根拠として逮捕された。


その男の子を改めて見上げ、お礼を言った。


律儀なタイプなのか、特に反応はしなかった。

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