俺の彼女は高校教師
「こんにちはーーーー。」 「誰も居ねえよ。 みんな仕事に行ってるんだから。」
「あっそうか。 弘明君のお部屋って何処だったっけ?」 「階段上がってすぐだよ。」
「行ってて。 お粥作ってあげるから。」 「いいってばよ。」
「そうなの? じゃあさあ傍に居てあげるね。」
そんなわけで香澄が部屋にまで入ってきた。 「変わってないなあ。」
「何だよ?」 「子供の頃と全然変わってない。」
「今だって十分に子供ですけど、、、。」 「そうだったわねえ。 私に心配ばかり掛けるんだから。」
「どっちもどっちだろうがよ。」 「それはひどいなあ。」
話しながら香澄は窓を開けた。 「天気もいいなあ。」
「そうか? 俺は肌寒いけど、、、。」 「熱でも有るんじゃないの?」
香澄が俺のおでこに手を当てた。」 「熱いなあ。 冷やさなきゃ、、、。」
「お前の手が冷たいんだよ。 馬鹿だなあ。」 「また私を馬鹿にした。 帰っちゃうぞ。」
「いいよ。 帰っても。」 「冷たいこと言わないでよ。 傍に居たいんだから。」
「あっそ。」 俺は布団を剥ぎ取るとベッドに寝転がった。
そこに香澄がくっ付いてきたから大変。 「重たいなあ。」
「何ですって? 重たい?」 「このお腹は重たいよ。」
「それってさあ、デブってこと?」 「そうだよ。 薄らデブ。」
「ひどーーーい。 私がデブだったらさやかちゃんはどうなるのよ?」 「あいつはブスだよ。」
「デブとブスとどう違うのよ?」 「どうでもいいじゃねえか。」
「良くないわよ。 私は弘明君の彼女なんですからね。」 「また始まった。」
こうして家に帰ってからも俺たちはバトルを続けているのであります。 そのうちに俺も香澄も病気だってことを忘れてしまって、、、。
「もう7時だぞ。 帰ったほうがいいんじゃないのか?」 「いいんだもん。 お母さんには言ってあるから。」
「何て言ったんだ?」 「彼氏が病気だから面倒見てくるって。」
「お前なあ、高校生夫婦じゃないんだから、、、。」 しかしまあ、そこまでやられると何も言えないわ。
「弘明ーーー、香澄ちゃーーん、ご飯出来たわよーーーーー。」 「呼んでるわ。」
二人揃って食堂に入ると母ちゃんがニコニコしながら俺に言うのである。 「とうとう捕まったか。」って。
「捕まえてもないし捕まっても無いよ。」 「まま、お似合いだよ。 あんた、香澄ちゃんを大事にしなさい。」
煮物を食べながら香澄もなぜかご機嫌。 やべえなあ。
でもさあ、うちの家族と香澄が並ぶと不思議にも絵になるんだよ。 やめてくれないか?
「どうしたんだ? 固くなって。」 父さんが不意に聞いてきた。
「別に、、、。」 「お前が香澄ちゃんに心配させるから悪いんだぞ。」
「そんなこと言ったって、、、。」 「昔から彼女だったんだろう? 決まりだな。」
「まだ何とも思ってねえよ。」 「まあまあ一週間くらい暮らしてみたら分かるよ。」
「お母さん、高校生夫婦じゃないんだからそれはやり過ぎよ。」 姉ちゃんが助け舟を出してくれた。
「助かった。」 「は? 誰も助けてないけど、、、。」
「どういう意味だよ?」 「あんたたち、並んでみたらけっこう絵になるじゃない。 羨ましいわねえ。」
姉ちゃんはクスクス笑いながら二階に上がっていった。
食事を済ませた香澄は「ごちそうさまでした。 弘明君も良さそうなので帰りますね。」って言って家を出た。
「弘明、香澄ちゃんを送ってやりなさい。」 「何でだよ?」
「夜道を女の子一人で行かせる気か?」 「分かった。 分かったよ。」
「香澄ーーーー! 待て!」 「どうしたの?」
「送っていけって父さんがうるさいからさあ、、、。」 「そっか。 デートしてくれるんだ。」
「デートじゃねえってばよ。」 「彼女なのに? また泣いちゃうぞ。」
「お前も芝居うまいからなあ。」 「芝居なんかじゃないってば。」
そう言ったかと思ったら香澄が本気で泣き始めた。 「おいおい、こんな所で泣くなよ。 馬鹿。」
「また馬鹿にした。 死んでやるーーーーー!」 「こらこら待てーーーーー!」
街灯の下をバス通りに向かって香澄は走り始めた。 その横を車が擦り抜けていった。
「あぶねえだろうがよ。 考えろよ ちっとは。」 やっと香澄を捕まえた俺は息を切らしている。
「捕まえてくれたのね? 嬉しいわーーー。」 「何だよ?」
「だってこのまま捕まえてくれないんだって思ってた。」 「香澄、、、。」
「好きなの。 私。」 そう言って飛び込んでくるからさあ大変。
突っぱねるわけにもいかなくて思わず抱き締めてしまった。 「あったかーーーーい。 弘明君 あったかーーーーい。」
「ドラマ見過ぎ。」 「ドラマじゃないもん。 本心なんだもん。」
「今日はもう遅いから家に帰りな。」 「帰りたくない。 ずっと傍に居たい。」
「母さんたちが心配するだろう?」 「泊まるかもって言ってあるから大丈夫。」
「お前なあ、、、。」 「なあに?」
「なあに?じゃねえよ。」 「いいじゃん。」
「しゃあねえなあ。 送るわ。」 「何よそれ?」
「いいだろう。 まだまだお泊りには早いの。」 「子供の頃はよく泊まってたのに?」
「それはそれ。 今は今。」 「そっか。 寂しいなあ。」
「遊びに来い。 いつだって虐めてやるから。」 「偉そうに、、、。」
そんな話をしながら魚屋まで歩いて行くんですわ。 バスもしばらく来ないからさあ。
んで香澄を送り届けたら父さんが真鯛の刺身を持たせてくれた。 「お父さんによろしくな。」
次の日も朝からいつも通りの賑わいであります。 香澄やさやかもいつものように喋くり回っておりますねえ。
「弘明君さあ、帰りにねうちまで送ってくれたのよ。」 「へえ、見かけによらず優しいじゃん。」
「お父さんに言われたんだって。」 「なんだ、それでか。」
「ほらほら、ホームルームを始めるぞ。」 「先生、家の部屋ってどういう意味?」
「家の部屋は教室だ。」 「お見事。」
「持ち上げなくていいから今日もしっかり勉強してこい。」 「やーい、言われてやんの。」
「坂崎君 あんたも言えないでしょう?」 「うわ、お嬢様にやられた。」
「まあいいからいいから。 とにかくだなあ、お前たちは今年で卒業するんだ。 悔いだけは残すなよ。」 「はーーーーい。」
ったくもう、なんていうクラスなんだよ? まるでお子様の集まりだぜ。
机の中を漁っていたら折りたたまれた紙が出てきた。 (何打これ?)
まあ取り敢えず授業が終わるまではポケットに仕舞っておこうか。 何となく気にはなるけど、、、。
そんなわけでバタバタしながら昼休みになった。 美和は相変わらず俺を無視したまま。
いつものように弁当を掻き込んで図書館へ、、、。 いつも読んでいるあの本を持ってテーブルに座る。
司書室からは美和の笑い声が聞こえてくる。 (今日も来てるのか。)
そして思い出したようにポケットから紙を取り出して開いてみる。 何とまあ美和からだ。
『ずっと無視しててごめんね。 悪気が有ったわけじゃないの。
このまま関係が深くなることが怖かったのよ。 香澄ちゃんのことも有るし。
私は今まで通りに教師と生徒の関係で居られたらそれでいいと思ってる。 もちろん遊びに来てもいいわよ。
いつでも待ってるから。』
微妙なんだなあ。 俺だってまだまだ好きとか嫌いとか言えた柄じゃないしそもそも知り合ったばかりでそれは無いと思ってる。
まずはどうやって卒業するかを考えなきゃいけない時期なんだ。 好き嫌いって言ってる場合じゃないよ。
そんなことを考えながらスマホを開いてみた。 (メールを、、、。)
『先生さあ、出会ったばかりで好きだの嫌いだのはまだまだ何とも言えないよ。 それに今はそんなことを考える時じゃないと思ってる。
進路も考えなきゃだし、問題無く卒業させてもらわないといけないから。
でもさ、遊びには行くよ。 先生と話したいことも有るからさ。』
そう書いて送信ボタンを押す。 (何を言われるか分かんねえけど書いとかないとな。)
それからまた本を開く。 そこへさやかが入ってきた。
「あらあら、弘明君 ここに居たのね?」 「毎日ここに居るけど、、、。」
「香澄ちゃんとは話さなくていいの?」 「トラブルメーカーに用は無いから。」
「あらあら、ひどいなあ。 あんな可愛い子がトラブルメーカーなの?」 「泣いたり怒ったり大変なんだから。」
「そんだけ好きなのねえ。 羨ましいわ。」 「何だよ?」
「そこまで真剣に好きになれるなんて羨ましいわ。」 「お前だって居るんじゃねえのか?」
「ぜーーんぜん居ないわよ。 横取りしたいくらい。」 「へえへえ、怖いもんですなあ。」
「女って本気で怒らせたら怖いのよーーー。」 「ブスに怒られても怖くないけど。」
「何ですって? 私がブス?」 「そうあじゃねえのか?」
「私がブスだったら真理恵ちゃんはどうなるのよ?」 「あいつは論外だよ。」
「そっか。 論外か。」 「変に納得するなよ こら。」
「そうやって香澄ちゃんも虐めてるのね?」 「お互い様だよ。」
「仲良しなんじゃない。 結婚しちゃいなさいよ。」 「うーーーん、それは考えてませーーーん。」
「まったく、、、。」 さやかは棚に目をやると本を探し始めた。
「あっそうか。 弘明君のお部屋って何処だったっけ?」 「階段上がってすぐだよ。」
「行ってて。 お粥作ってあげるから。」 「いいってばよ。」
「そうなの? じゃあさあ傍に居てあげるね。」
そんなわけで香澄が部屋にまで入ってきた。 「変わってないなあ。」
「何だよ?」 「子供の頃と全然変わってない。」
「今だって十分に子供ですけど、、、。」 「そうだったわねえ。 私に心配ばかり掛けるんだから。」
「どっちもどっちだろうがよ。」 「それはひどいなあ。」
話しながら香澄は窓を開けた。 「天気もいいなあ。」
「そうか? 俺は肌寒いけど、、、。」 「熱でも有るんじゃないの?」
香澄が俺のおでこに手を当てた。」 「熱いなあ。 冷やさなきゃ、、、。」
「お前の手が冷たいんだよ。 馬鹿だなあ。」 「また私を馬鹿にした。 帰っちゃうぞ。」
「いいよ。 帰っても。」 「冷たいこと言わないでよ。 傍に居たいんだから。」
「あっそ。」 俺は布団を剥ぎ取るとベッドに寝転がった。
そこに香澄がくっ付いてきたから大変。 「重たいなあ。」
「何ですって? 重たい?」 「このお腹は重たいよ。」
「それってさあ、デブってこと?」 「そうだよ。 薄らデブ。」
「ひどーーーい。 私がデブだったらさやかちゃんはどうなるのよ?」 「あいつはブスだよ。」
「デブとブスとどう違うのよ?」 「どうでもいいじゃねえか。」
「良くないわよ。 私は弘明君の彼女なんですからね。」 「また始まった。」
こうして家に帰ってからも俺たちはバトルを続けているのであります。 そのうちに俺も香澄も病気だってことを忘れてしまって、、、。
「もう7時だぞ。 帰ったほうがいいんじゃないのか?」 「いいんだもん。 お母さんには言ってあるから。」
「何て言ったんだ?」 「彼氏が病気だから面倒見てくるって。」
「お前なあ、高校生夫婦じゃないんだから、、、。」 しかしまあ、そこまでやられると何も言えないわ。
「弘明ーーー、香澄ちゃーーん、ご飯出来たわよーーーーー。」 「呼んでるわ。」
二人揃って食堂に入ると母ちゃんがニコニコしながら俺に言うのである。 「とうとう捕まったか。」って。
「捕まえてもないし捕まっても無いよ。」 「まま、お似合いだよ。 あんた、香澄ちゃんを大事にしなさい。」
煮物を食べながら香澄もなぜかご機嫌。 やべえなあ。
でもさあ、うちの家族と香澄が並ぶと不思議にも絵になるんだよ。 やめてくれないか?
「どうしたんだ? 固くなって。」 父さんが不意に聞いてきた。
「別に、、、。」 「お前が香澄ちゃんに心配させるから悪いんだぞ。」
「そんなこと言ったって、、、。」 「昔から彼女だったんだろう? 決まりだな。」
「まだ何とも思ってねえよ。」 「まあまあ一週間くらい暮らしてみたら分かるよ。」
「お母さん、高校生夫婦じゃないんだからそれはやり過ぎよ。」 姉ちゃんが助け舟を出してくれた。
「助かった。」 「は? 誰も助けてないけど、、、。」
「どういう意味だよ?」 「あんたたち、並んでみたらけっこう絵になるじゃない。 羨ましいわねえ。」
姉ちゃんはクスクス笑いながら二階に上がっていった。
食事を済ませた香澄は「ごちそうさまでした。 弘明君も良さそうなので帰りますね。」って言って家を出た。
「弘明、香澄ちゃんを送ってやりなさい。」 「何でだよ?」
「夜道を女の子一人で行かせる気か?」 「分かった。 分かったよ。」
「香澄ーーーー! 待て!」 「どうしたの?」
「送っていけって父さんがうるさいからさあ、、、。」 「そっか。 デートしてくれるんだ。」
「デートじゃねえってばよ。」 「彼女なのに? また泣いちゃうぞ。」
「お前も芝居うまいからなあ。」 「芝居なんかじゃないってば。」
そう言ったかと思ったら香澄が本気で泣き始めた。 「おいおい、こんな所で泣くなよ。 馬鹿。」
「また馬鹿にした。 死んでやるーーーーー!」 「こらこら待てーーーーー!」
街灯の下をバス通りに向かって香澄は走り始めた。 その横を車が擦り抜けていった。
「あぶねえだろうがよ。 考えろよ ちっとは。」 やっと香澄を捕まえた俺は息を切らしている。
「捕まえてくれたのね? 嬉しいわーーー。」 「何だよ?」
「だってこのまま捕まえてくれないんだって思ってた。」 「香澄、、、。」
「好きなの。 私。」 そう言って飛び込んでくるからさあ大変。
突っぱねるわけにもいかなくて思わず抱き締めてしまった。 「あったかーーーーい。 弘明君 あったかーーーーい。」
「ドラマ見過ぎ。」 「ドラマじゃないもん。 本心なんだもん。」
「今日はもう遅いから家に帰りな。」 「帰りたくない。 ずっと傍に居たい。」
「母さんたちが心配するだろう?」 「泊まるかもって言ってあるから大丈夫。」
「お前なあ、、、。」 「なあに?」
「なあに?じゃねえよ。」 「いいじゃん。」
「しゃあねえなあ。 送るわ。」 「何よそれ?」
「いいだろう。 まだまだお泊りには早いの。」 「子供の頃はよく泊まってたのに?」
「それはそれ。 今は今。」 「そっか。 寂しいなあ。」
「遊びに来い。 いつだって虐めてやるから。」 「偉そうに、、、。」
そんな話をしながら魚屋まで歩いて行くんですわ。 バスもしばらく来ないからさあ。
んで香澄を送り届けたら父さんが真鯛の刺身を持たせてくれた。 「お父さんによろしくな。」
次の日も朝からいつも通りの賑わいであります。 香澄やさやかもいつものように喋くり回っておりますねえ。
「弘明君さあ、帰りにねうちまで送ってくれたのよ。」 「へえ、見かけによらず優しいじゃん。」
「お父さんに言われたんだって。」 「なんだ、それでか。」
「ほらほら、ホームルームを始めるぞ。」 「先生、家の部屋ってどういう意味?」
「家の部屋は教室だ。」 「お見事。」
「持ち上げなくていいから今日もしっかり勉強してこい。」 「やーい、言われてやんの。」
「坂崎君 あんたも言えないでしょう?」 「うわ、お嬢様にやられた。」
「まあいいからいいから。 とにかくだなあ、お前たちは今年で卒業するんだ。 悔いだけは残すなよ。」 「はーーーーい。」
ったくもう、なんていうクラスなんだよ? まるでお子様の集まりだぜ。
机の中を漁っていたら折りたたまれた紙が出てきた。 (何打これ?)
まあ取り敢えず授業が終わるまではポケットに仕舞っておこうか。 何となく気にはなるけど、、、。
そんなわけでバタバタしながら昼休みになった。 美和は相変わらず俺を無視したまま。
いつものように弁当を掻き込んで図書館へ、、、。 いつも読んでいるあの本を持ってテーブルに座る。
司書室からは美和の笑い声が聞こえてくる。 (今日も来てるのか。)
そして思い出したようにポケットから紙を取り出して開いてみる。 何とまあ美和からだ。
『ずっと無視しててごめんね。 悪気が有ったわけじゃないの。
このまま関係が深くなることが怖かったのよ。 香澄ちゃんのことも有るし。
私は今まで通りに教師と生徒の関係で居られたらそれでいいと思ってる。 もちろん遊びに来てもいいわよ。
いつでも待ってるから。』
微妙なんだなあ。 俺だってまだまだ好きとか嫌いとか言えた柄じゃないしそもそも知り合ったばかりでそれは無いと思ってる。
まずはどうやって卒業するかを考えなきゃいけない時期なんだ。 好き嫌いって言ってる場合じゃないよ。
そんなことを考えながらスマホを開いてみた。 (メールを、、、。)
『先生さあ、出会ったばかりで好きだの嫌いだのはまだまだ何とも言えないよ。 それに今はそんなことを考える時じゃないと思ってる。
進路も考えなきゃだし、問題無く卒業させてもらわないといけないから。
でもさ、遊びには行くよ。 先生と話したいことも有るからさ。』
そう書いて送信ボタンを押す。 (何を言われるか分かんねえけど書いとかないとな。)
それからまた本を開く。 そこへさやかが入ってきた。
「あらあら、弘明君 ここに居たのね?」 「毎日ここに居るけど、、、。」
「香澄ちゃんとは話さなくていいの?」 「トラブルメーカーに用は無いから。」
「あらあら、ひどいなあ。 あんな可愛い子がトラブルメーカーなの?」 「泣いたり怒ったり大変なんだから。」
「そんだけ好きなのねえ。 羨ましいわ。」 「何だよ?」
「そこまで真剣に好きになれるなんて羨ましいわ。」 「お前だって居るんじゃねえのか?」
「ぜーーんぜん居ないわよ。 横取りしたいくらい。」 「へえへえ、怖いもんですなあ。」
「女って本気で怒らせたら怖いのよーーー。」 「ブスに怒られても怖くないけど。」
「何ですって? 私がブス?」 「そうあじゃねえのか?」
「私がブスだったら真理恵ちゃんはどうなるのよ?」 「あいつは論外だよ。」
「そっか。 論外か。」 「変に納得するなよ こら。」
「そうやって香澄ちゃんも虐めてるのね?」 「お互い様だよ。」
「仲良しなんじゃない。 結婚しちゃいなさいよ。」 「うーーーん、それは考えてませーーーん。」
「まったく、、、。」 さやかは棚に目をやると本を探し始めた。