俺の彼女は高校教師
 「ねえねえ弘明君。 私たちはどうするのよ?」 「そこに並んだらいいだろう?」
「しょうがないなあ。」 「何? 俺と並びたいのか?」
「うん。」 「しゃあないな。 先生 シャッター押してくれる?」
「分かったわよ。」 「うわー、高橋先生を顎で使うんだ。」
「そんなんじゃないわよ。 香澄ちゃん。」 「でも、、、。」
「何かさあ変な風に見てない? 私は彼女でも何でもないのよ。」 「そうなのかなあ?」
「いい加減にして‼ 宏明君とは何も無いんだから。」 そう言うと美和はムッとした顔でカメラを構えた。
 香澄はというといきなりのブチ切れに怖くなったみたい。 シュンとして俺の隣に立っている。
(まったくよ、こんな時に怒らせてどうするんだよ? 馬鹿。) その写真を撮ると美和はカメラを香澄に渡して俺の隣に立った。
 香澄は黙ったままシャッターチャンスを探している。 そして、、、。
 俺たちが一番近付いた所でシャッターを切った。 (やりやがった。)
その後、今度は俺がカメラを持った。 女同士の写真もいいなと思って。
 現像されてきた写真を見て俺は吹き出してしまったけどね。 だって美和がちょっと横を向いた所でシャッターを切ってるんだもん。
香澄がそれを見て俺に詰め寄ってきた。 「私さあ高橋先生に嫌われてるみたいじゃない。 どうしてくれるのよ?」
「そんなこと言われても困るんだけど、、、。」 「怒られるしそっぽ向かれるし私の立場は無いじゃない。」
「ほらほらまた始まった。 それだから嫌がってるんだよ。」 「だから何よ?」
「じゃあさあ高橋先生と萌え萌えの写真を撮ればいいのか?」 「それはそれで困る。」
「何でだよ? 女同士いいじゃん。」 「だからって、、、。」

 五稜郭から駒場車庫までやってきた。 「へえ、市電の車庫だって。」
「YouTubeでも見たけど実物はすごい物ねえ。」 電車が出てきた。
道路に出てきてど真ん中を疾走する。 いいもんだなあ。
中にはハイカラ号なんてやつも有る。 車掌さんが乗ってるんだって。
 それから俺たちはバスに乗ってホテルの近くにまで戻ってきた。 ミナッチのグループもほぼほぼ同時に戻ってきたらしい。
昼はどっかその辺の食堂で済ませてきた。 4時には小樽に向けて出発するから。
 今晩は小樽のホテルで一泊。 明日は小樽市内をグルリト回る。
部屋に戻ってのんびりしていると袋から箱を取り出すやつが居る。 (何だ?)と思って見ていたらオルゴールだった。
 ベーサイドのほうにオルゴール堂って店が在るからな。 そこで作ってきたんだって。
 いつか行くことが有ったら美和と二人で作りたいな オルゴール。 遠い夢香奈?
さてと明日は小樽観光だ。 何が有るんだろう?
知らない町に来るってのはいいもんだねえ。 スリル満点。
でもさあ、こいつらと一緒に旅をするのはこれが最後なんだよね? 何か寂しいかも。
 その頃、香澄はもう夢の中。 律子たちもみんな揃って疲れて寝てるらしい。
「あーん、そんなことしちゃダメだってば。」 いきなり大きな寝言を言ったものだから隣の小百合が目を覚ました。
「何? 誰か言った?」 周りを見ても聞こえるのは寝息ばかり。
「何だ 寝言化。」 拍子抜けして寝ようとしたら香澄が寝返りを打ってきた。
「痛いなあ。 叩かないでよ。 まったく、、、。」 寝返りついでに叩かれたもんだから小百合は腹を立てて叩き返した。

 翌朝、香澄は腑に落ちない顔をしている。 「誰だろう? 誰かに叩かれたんだけど、、、。」
「は? 知らないわよ。 自分で壁でも叩いたんじゃないの?」 「そうじゃないのよ。 確かにはっきりと叩かれたの。」
「夢だよ。 夢。」 「そうかなあ? やけに頬っぺたが痛いんだけど、、、。」
小百合は香澄の小言を適当に聞き流して食堂へ行ってしまった。 スッキリしない香澄はまたまた膨れっ面で俺の傍に寄ってきた。
「お嬢様、どうされたんですか?」 「あのねえ、朝からお嬢様は無いでしょう?」
「いっつも朝から言ってますやんか。」 「馬鹿みたい。」
「お前みたいにオール3じゃないから。」 「そんなのばらさないでよ。」
「え? 香澄ってオール3だったの?」 律子がとぼけて聞いてくるもんだからみんなは腹を抱えて笑い出した。
「ほら見なさい。 みんなが注目しちゃったじゃないの。」 「いい光景ですなあ。 お嬢様。」
「だからさあ、いつになったらやめてくれるの?」 「お前が怒らなくなったらやめてあげますわよ。」
「弘明君 きもーーーーい。」 「そうだそうだ。」
「お前たち、朝から賑やかだなあ。 学校じゃないんだからちっとは考えろ。 いいか。 今日は小樽市内を一回りする。 班はこの通りだ。」
久保山先生は班割表をみんなに配って歩いた。 そしてみんな揃っての朝食だ。
 食事をしながらさらに話を続ける。 「9時になったら出発する。 5分前には正面玄関に揃うこと。 いいか?」 「はーーーい。」
「それからお土産は各自最低限の物を買うこと。 買ったはいいが持って帰れないんじゃ話にならんからな。」 「はーーーい。」
 生卵を割る。 朝から卵掛け、美味いよなあ これ。
聞いた話だと裏の養鶏場から貰ってくるんだって。 俺も欲しいわ。
 ふと前を見ると向かい合っているのは美和である。 味噌汁を飲みながら何か考え事をしている。
「そういえばさあ、夜中にさあ、誰か叫んでなかった?」 「何が?」
「あーんとか、そんなこと、、、とか聞こえたんだけど。」 真紀が不思議そうな顔で話している。
香澄は[私じゃないわよね?)って顔をしている。 「それでさあ、しばらくしたら「痛いなあ‼ 何すんのよ?」って声が聞こえたんだけど。」
それに真っ赤になったのは小百合だった。 「香澄ちゃんが殴ってくるから殴り返したのよ。」
「えーーーーーー? 小百合がそんなことするの?」 「だって腹が立ったんだもん。」
「危険な女が多いなあ。 このクラスは。」 久保山先生も塩焼きを食べながら香澄の顔を覗いた。
 さてさて朝食を済ませると班ごとに出発です。 まだまだ眠そうな顔をしてるやつも居る。
小百合と香澄は睨み合ったまま。 まあ怖い怖い。
 俺たちも出発だ。 昼には海鮮丼を食べたいな。

ミナッチも用心深く地図を見ながらバス停を探している。 久保山先生の班もバスに乗って何処へ行くんだろう?
 「昼には海鮮丼を食べようぜ。」 そう話しているやつも居る。
そう言いながら食堂に来てみると1時を過ぎていた。 「客も居なさそうだな。」
最後の客も捌けた後だ。 店員もホッとしたところに俺たちが乱入。
じゃなくて賑やかにご到着。 何だいそれ?
 香澄と小百合はあれからずっと睨み合ったままだ。 女の恨みは怖いなあ。
え? 香澄を抱いておいて何を言ってんだって? 飛び込んできたからしょうがなく抱いてやったんだよ。
とんでもない変態野郎だな 俺も。 はーーーあ、ガックリ。
 昼飯を食べ終わるとまたまた観光に出発。 眠気に負けてバスを間違えたりするやつも居て大騒ぎの連続だ。
 それでもその途中で買ったお土産は宅配便で家に直行‼ 海鮮丼の詰め合わせまで買っちゃったから。
身軽になったらホテルに戻って出発準備だ。 4時過ぎにはスーパーホクトに乗るんだからね。
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