~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 それ以上無駄口を叩かず、家令は音もなく退出していく。

「さて。第三王子殿下としては、どう動くことになられるやら。やれやれ面倒なことだ」

 ルゼは億劫なことになりそうな未来を想像しつつ、肩を回して仕事に戻る。
 元々、彼女の監視は第三王子アルサイドから頼まれたものだった。ルゼが市場で事故に出くわした後、その報告をすると彼にそれとなくジェミーの身の回りを警護するように命じられたのだ。

 その辺り、アルサイドには非常に先見の明があるとルゼは思っている。ジェミーが自分たちが知り得ない情報を得ているのなら、なおのこと彼女を第一王子に殺させるわけにはいかない。

 いずれ第一王子に彼女の心積もりを訴え、納得してもらう席を設ける必要も出てくるかもしれない。それまでは、一番近くにいるルゼ自身が、彼女の身辺に気を配らねばならないだろう。
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