~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「ちょっと待った――っ!!!!!」
「な、なんと!?」
ステイステイステイっと、さすがにこれには叫ばずにはいられない。
娘のいきなりの豹変ぶりにガースルがずるりと腰を滑らせたので、さすがにまずかったかと、ジェミーは口元を押さえて言い繕った。
「おほほ。し、失礼いたしましたお父様。体調がまだ万全ではなく、時々こう、言いようもなく気が昂りますの」
「お、おお……そうか。そんなこともある、のか?」
無茶なごまかしに咳払いをしたガースルはどうもあまり納得していないようだが、不審に思われないうちにとジェミーは、彼に軽く問いただす。
「それでですね。私……事故以前の記憶が不確かなところがございまして。第二王子殿下との婚約の経緯についてもう一度詳しくお聞かせ願えないでしょうか」
「うむ、いいだろう。もともとは国王のご子息である三人の王子のうち、大きな後ろ盾を得ていない第二王子の方から、ぜひにと婚約を希望してきたのが発端だ。両家の絆を結び、協力関係を表明すれば、双方の得となるだろうとな。お前の体調さえ戻ったならば、学園に入学する前に正式に婚約を結ぶつもりだった」
「な、なんと!?」
ステイステイステイっと、さすがにこれには叫ばずにはいられない。
娘のいきなりの豹変ぶりにガースルがずるりと腰を滑らせたので、さすがにまずかったかと、ジェミーは口元を押さえて言い繕った。
「おほほ。し、失礼いたしましたお父様。体調がまだ万全ではなく、時々こう、言いようもなく気が昂りますの」
「お、おお……そうか。そんなこともある、のか?」
無茶なごまかしに咳払いをしたガースルはどうもあまり納得していないようだが、不審に思われないうちにとジェミーは、彼に軽く問いただす。
「それでですね。私……事故以前の記憶が不確かなところがございまして。第二王子殿下との婚約の経緯についてもう一度詳しくお聞かせ願えないでしょうか」
「うむ、いいだろう。もともとは国王のご子息である三人の王子のうち、大きな後ろ盾を得ていない第二王子の方から、ぜひにと婚約を希望してきたのが発端だ。両家の絆を結び、協力関係を表明すれば、双方の得となるだろうとな。お前の体調さえ戻ったならば、学園に入学する前に正式に婚約を結ぶつもりだった」