～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「なんだっていうんだ？　まあ、この厄介令嬢のお守りを変わってくれるなら、喜んで僕は隣でもなんでも譲ってやりたいけど」

　やや険悪な空気が場に残る一方、ジェミーだけは女特有の嗅覚で彼らの行く末を妄想し、ひとり観客気分で身をくねらせていた。
　これはこれは、なにやら男と男の争いが始まっちゃいそうな予感かも。

（うっひょー、もしかして、これから私を巡る争いが始まっちゃうのっ？　やだ～）

　常時塩対応のルゼにはあんまり期待できないとしても。どこかであの名台詞「私のために争わないで！」を言えるかもと思うと――この旅行、盛り上がってきたんじゃない？