~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 ジェミーは恥ずかしさを中和しようと茶化すのに必死になったが、彼が珍しく楽しそうに声を上げて笑ったので、やがて気分も落ち着いて来る。
 その先も若干思い詰めた様子が和らぎ、返事を返してくれるようになったルゼと共に、展示品をくつろいだ気持ちで眺めてゆく。

「なるほどね。この巨大帝国が発生するのに、ここまで熾烈な国家間の争いがあったとは」
「男の人って戦いの歴史とか好きですよね~。なになに?」

 どうやら、もともとカレンベール帝国は六つもの国土に別れていたそうな。豊かな水源を持つベルネシオラ。卓越した製鉄の技術を持つバルジャー。六国の中で最も広大で豊かな土地を持つクリーンベルトなど、それぞれ特色を持った六国の中、“立帝の対戦”と呼ばれる戦乱の末それらの頂点に立ったのは、天が遣わした女神の子孫とされる王族の下、厚い信仰心で国民同士が結ばれていたカレンベールという国であったという。

 そして、神のごとき軍略をもって六つの国の軍容を打倒し、すべてに恭順を誓わせた時の国王が五百年ほど前に打ち立てたのが、このカレンベール帝国という巨大国家だったということだ。
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