~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 価値を認められたがゆえに、限られた時しか表に出ることを許されない特別(スペシャル)な存在。その姿が、ちょっとだけ、第三王子を思わせる。

(でもなんかそれって、寂しいわよね~)

 価値のある存在にはずっと自分たちの真上で輝いて、夢を見させてほしい。
 そう望む人はたくさんいるだろうけど。でも彼ら自身は本当はもっと外に広がる世界を確かめたいと、そう思っているんじゃないだろうか。
 だとしたら、ジェミーがそんな人たちにさせてあげたいことは、ひとつだ。

(一回くらいは誰もいないところに連れ出して、腹の底にたまった愚痴をすかっと吐き出させてやりたいわね。ふふっ)

 そんな苦笑を漏らし、ジェミーが仕舞われた宝石に向かってショーケースをつついていると、隣のルゼがジェミーを見つめた。

「どうかしました?」
「ひよっとしてこれ、意外とジェミー嬢にはお似合いかも」
「ええっ!?」

 いきなりの誉め言葉に思わずときめくジェミーの前で、眉を顰めてルゼは言う。
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