~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
淑女らしからぬ苦鳴がジェミーの喉から漏れる。
今まで販売していた商品がまったく売れなくなった。かといって、帝国中の必要な物資がすべて自国で賄えるわけでもなく。相手国からの輸入は避けられず、他国の懐を潤すばかりでどんどんお金が目減りしていく。国内でもおそらく先んじて危機に気づいた者が貨幣をかき集め、それらの価値はどんどん暴騰していったことだろう。きっと国内はインフレで大混乱が起きたことは想像に難くない。
「同情しますよ。自国の生産力である程度賄える部分もあるでしょうが、貨幣経済から一気に切り離されて、このままでは帝国が今後衰退の一途をたどるのは間違いない。それを改善しようとするなら、かなりの難題だ」
「どうしたもんですかしらぁ」
ルゼの厳しい意見に、ハードルが上がり過ぎて感覚がおかしくなったジェミーは生返事で答えるしかない。
――ちょうどその時。
「失礼。ジェミー、よかったら街に出ないかい? 少し時間ができたから、いろいろな場所を案内してあげられると思ったんだ」
顔を見せたのは従兄のカーライルだ。忙しい最中だが、彼は時間ができたら街を案内してくれると前々から約束してくれていた。
どうせこのまま部屋に篭りきりではいい考えも浮かぶまいし、少しでも妹分の相手をしようという気遣いを無下にするのもなんだ。
今まで販売していた商品がまったく売れなくなった。かといって、帝国中の必要な物資がすべて自国で賄えるわけでもなく。相手国からの輸入は避けられず、他国の懐を潤すばかりでどんどんお金が目減りしていく。国内でもおそらく先んじて危機に気づいた者が貨幣をかき集め、それらの価値はどんどん暴騰していったことだろう。きっと国内はインフレで大混乱が起きたことは想像に難くない。
「同情しますよ。自国の生産力である程度賄える部分もあるでしょうが、貨幣経済から一気に切り離されて、このままでは帝国が今後衰退の一途をたどるのは間違いない。それを改善しようとするなら、かなりの難題だ」
「どうしたもんですかしらぁ」
ルゼの厳しい意見に、ハードルが上がり過ぎて感覚がおかしくなったジェミーは生返事で答えるしかない。
――ちょうどその時。
「失礼。ジェミー、よかったら街に出ないかい? 少し時間ができたから、いろいろな場所を案内してあげられると思ったんだ」
顔を見せたのは従兄のカーライルだ。忙しい最中だが、彼は時間ができたら街を案内してくれると前々から約束してくれていた。
どうせこのまま部屋に篭りきりではいい考えも浮かぶまいし、少しでも妹分の相手をしようという気遣いを無下にするのもなんだ。