~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「はーい。それじゃ行きましょうか、ルゼ様」
「いや、別に彼まで呼んだ覚えは」
「僕は第三王子殿下と王太子にジェミーの身辺を守るよう仰せつかってますので」
「ふん。なら仕方ないが、くれぐれも邪魔はして欲しくないものだね」

 どうしてか、ほぼ初対面なのに折り合いの悪いふたりだが、彼らの関係をいちいち気にしている余裕はジェミーにはなく。

(こりゃ~とんでもない問題に首を突っ込んじゃった。なんとか糸口を見つけなきゃね)

 なにかしらの突破口を見つけるため、ふたりと共に首都の街並みへと繰り出してゆく。
 
 帝国が再び国際社会に組み入れてもらうためには、両共和国にかけ合って、貨幣の供給を再開してもらうことが一番の近道。それを叶えようとするならば、相手との取引に使えるかなりインパクトの強いものが必要。とはいえ。

 いくら楽観主義のジェミーだとてそんなものが簡単に見つかってくれるとは、夢にも思っていなかったのだけれど――。
< 382 / 952 >

この作品をシェア

pagetop