～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

『お、お待ちください！　団長は今、来客対応中でありまして！』
『か、勝手が過ぎます！　どうかお控えください！　後で大目玉を食らうのは我々なのですから！』
『知ったことか。この俺を誰だと思っている。どけどけ、どかぬと今後王宮に顔を出せなくなるようにしてやるぞ』
「お父様、いったいなんの騒ぎでしょう」
「この声は、まさか」

　訝しんだミリィの目の前でガーフィールが焦り出し、そして扉がバタンと開かれる。

「邪魔するぞ」

　振り返ると、そこには豪奢な金髪金眼を輝かせた、異様な存在感を放つひとりの青年が。
　次いで父が、ババンと両手をついて席から立ち上がり、喉から悲鳴を絞り出した。

「な、ななななっ！　なぜ、あなた様がここにいらっしゃるのですか！　デール王太子！」
（王太子ぃ!?　まっまさか、本物!?）

　その他を圧倒する美貌と、周りの空気を作り変えてしまうかのようなオーラを見れば、実際に会ったことのないミリィでもそうだと納得せざるを得ない。