~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「あ、主に代わり御礼申し上げますっ!」

 そう言われても、ミリィは突然の雲の上の存在の出現に頭を垂れ、ひきつった表情で頷くことしかできない。

「ちなみに、俺がジェミーに手を下そうとしたのは本当のことだぞ」

 そんなことを王太子が口に出したが、もはや父には聞こえていないらしい。
 そうして――数秒後。

「お……、お……」

 手紙は中央からバリバリと引き裂かれ、それを握っていたガーフィールの喉から、隊舎中を貫通するとんでもない大声が飛び出す。

「王国の、一大事じゃ――ッ!」
「――――――っ!!」
「っははは、それみたことか」

 慌ててミリィは耳を塞ぎ、そこへ王太子の愉快そうな笑い声が唱和した。
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