~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド


「なんだか、乗り気になれないな」

 片や、やる気に満ち溢れたジェミーとは対照的に、ルゼは調理場の扉から出ると、どことなく浮かない顔でその場から歩き出す。

 現在ジェミーたちと一緒に泊まっている宿は程近い。通りでしばらく散歩でもして頭を冷やし、そちらに戻ってこのもやもやした気分をどうにかしたかった。その後ろには、王国から呼び寄せた家令のウィリアムが静かに付き従う。

(僕が彼女のそばで手伝うことが、本当に必要なのか?)

 そんな迷いが生まれたのは、カーライルにあんなことを言われたからだ。
 帝国に広い人脈を持つ彼は、外交官として培ってきた交渉術で多くの優秀な人材をかき集めるなど、今もジェミーのために積極的に行動している。

 対して、ルゼの方は精々退屈しのぎの話し相手になってやるくらいが関の山。ウィリアムたちをレビエラから呼び寄せて彼女の世話をさせているものの、自身が重要な役割をこなせているわけではない。そのことが、彼の心を沈ませている。
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