~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
彼らの目的は完成のその先にある。どちらが、ジェミーのパートナーとしてより優れているのか。ここからはそれを相手に思い知らせるための、誰も介入する余地のない彼らだけの争い。
火花散る視線が開始の合図となり、ふたりは背を向け合うと、完成品をアレンジした究極の逸品の製作に、密かに勤しみ出す。
そんな彼らを遠目に、ジェミーは訝しそうな目で眺めた。
(あれー? あのふたり、後ろでこそこそなにやってんのかしら。せっかく皆でお祝いしようって時なのに。まぁ、いっか。後は、これの価値を陛下にお認めいただくだけだし)
まさか彼らが我が身の隣を奪い合っているとは思いもせず、ようやく余裕ができたジェミーの心の隙間に滑り込んできたのは、はるか遠くで苦難に挑むミリィのこと。
(そういえば、ずいぶんとほったらかしにしてたけど。あっちはあっちでうまくやれてるかしら?)
便りがないのはよい知らせ、などと思いつつ。ぶん投げられた無茶な任務にあたふたする、ちょっと間抜けでお茶目な侍女の姿が浮かぶ――。
火花散る視線が開始の合図となり、ふたりは背を向け合うと、完成品をアレンジした究極の逸品の製作に、密かに勤しみ出す。
そんな彼らを遠目に、ジェミーは訝しそうな目で眺めた。
(あれー? あのふたり、後ろでこそこそなにやってんのかしら。せっかく皆でお祝いしようって時なのに。まぁ、いっか。後は、これの価値を陛下にお認めいただくだけだし)
まさか彼らが我が身の隣を奪い合っているとは思いもせず、ようやく余裕ができたジェミーの心の隙間に滑り込んできたのは、はるか遠くで苦難に挑むミリィのこと。
(そういえば、ずいぶんとほったらかしにしてたけど。あっちはあっちでうまくやれてるかしら?)
便りがないのはよい知らせ、などと思いつつ。ぶん投げられた無茶な任務にあたふたする、ちょっと間抜けでお茶目な侍女の姿が浮かぶ――。