~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
でも、ミリィ自身にジェミーの役に立ちたい気持ちはあるし、いったん他家に仕えるとなれば徹底して忠義を尽くすのがハーレント家の家訓であったりもする。やらせるからには母も一流の密偵であった誇りを見せ、騎士団の隊舎を借りて、ミリィに見事な変装を施してくれた。よって彼女は、この通り誰にも見咎められず王宮に潜入できている。その辺りを考えると、自分を選んだジェミーの選択は慧眼だったのかもしれない、とさえ思えてくる。
だがそれを証明できるのも、失敗することなくすべてを終えてこそ。
いやむしろ、失敗したら、ジェミーもミリィもペリエライツ家もハーレント家もすべて大ピンチだ。責任の重大さを意識すると、両肩が押し潰されて動けなくなりそうな気がして、ミリィはその考えを頭から放棄した。
――集中集中とにかく集中。針のように神経を尖らせながら、ミリィは上階へそろそろと足を伸ばしてゆく。その際窓から、王宮に吸い込まれてくる人たちの中に見知った人影に気付き、ミリィは息を吞む。
(え、御嬢様!?)
ここからはよく見えないが、レビエラ王国広しといえ、あんな美しい銀色の髪をして、王宮に出入りできるほどの身分を持つ令嬢となるとジェミーだけだ。だが、今カレンベール帝国に赴いている彼女がこんなところにいるはずは――。
だがそれを証明できるのも、失敗することなくすべてを終えてこそ。
いやむしろ、失敗したら、ジェミーもミリィもペリエライツ家もハーレント家もすべて大ピンチだ。責任の重大さを意識すると、両肩が押し潰されて動けなくなりそうな気がして、ミリィはその考えを頭から放棄した。
――集中集中とにかく集中。針のように神経を尖らせながら、ミリィは上階へそろそろと足を伸ばしてゆく。その際窓から、王宮に吸い込まれてくる人たちの中に見知った人影に気付き、ミリィは息を吞む。
(え、御嬢様!?)
ここからはよく見えないが、レビエラ王国広しといえ、あんな美しい銀色の髪をして、王宮に出入りできるほどの身分を持つ令嬢となるとジェミーだけだ。だが、今カレンベール帝国に赴いている彼女がこんなところにいるはずは――。