~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
(うーん、まずいかも。そう簡単に見つかるとは思っていませんでしたが、もしかして毎日肌身離さず身に着けていたり? だとしたらお終いですよー、ひ~ん)

 基本的に探し物を見つけるには、場所が限定されているなら消去法と個々人の性格判断による行動予測の組み合わせだ。日々所持者が、この部屋でどう過ごしているか、どういう人間かを所持品の置き方などから読むのである。

 ミリィも母ナタリエからひと通りの指導は受けており、こういった探索は得意なのだが、クラフトの裏の性格を知らないためか、隠し場所は影も形も見えてこない。

 だが、“永の蒼”はいわばクラフトにとっての切り札だ。王宮のここ以外の場所では補修工事など、人の出入りがあり過ぎてなんらかの不測の事態も予想される。綿密な計画を立てる彼のような人間なら、自らの管理下である居室以外に重要なものは置かない、と思いたい。
 人に預けたとか、クラフトが想定以上のひねくれ者であるという予想を打ち消しながら、ミリィは時間いっぱいまで部屋を探すことを決意する。

 石造りの部屋に仕掛けがされてないかとか、枕やクッションの中に紛れ込まされていないか、とか。はてはベッドの裏側まで。一生懸命探してみるが、ない、ない、ない。
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