~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 ミリィはその柱に駆け寄った。そこで――。

「ふわぁっ!」

 慌てん坊な彼女は盛大にドジを引いた。靴が滑って転び、思いっきり柱の一か所に額をぶつけたのだ。
 ごちんっ!――それは彼女の頭に火花のような衝撃をもたらしたが、同時に。

 ぐらっ、となにかが揺れた。

「いつつつつつ……」

 本来、それは柱部分に直接掘られた形だけの獅子の彫刻のはず。だが、それに触れてみると――微かだが、動く!?
 周りを探ってみれば、獅子の顎裏に細いがなにかをかけられそうな隙間がある。ミリィがそこに指をつっ込み、慎重に引っ張ってみると。

「嘘っ!」

 ――ゴゴッ。
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