~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
だが、白い石たちは期待を寄せるミリィの爪先をつれなく跳ね返し、うんともすんとも反応しない。彼女はお手上げだというように、ふらふらと手すりにもたれかかる。
すると雨粒が前髪を滑って肌にぽたりと落ち、ミリィは渋々体を離した。あまりこの場に長くいては、水気のせいで化粧が崩れて不審がられる。
バルコニーの探索を諦め、最後に一度だけ振り返って全体像を見直そうとした時だった。
(あれっ?)
なにかが気になって、ミリィは目をこする。
そうしてもう一度見回すと、違和感の正体が明らかになる。手すりを支える石柱の一部が、妙に綺麗なのだ。
(どうして?)
それらの接合部には、獅子の顔の形をしたレリーフがあしらわれているのだが、いずれもほとんどが風雨に晒され、浸食で黒ずみや欠けが発生している。だが、ひとつだけ、妙に綺麗なものがある。
(怪しい……)
すると雨粒が前髪を滑って肌にぽたりと落ち、ミリィは渋々体を離した。あまりこの場に長くいては、水気のせいで化粧が崩れて不審がられる。
バルコニーの探索を諦め、最後に一度だけ振り返って全体像を見直そうとした時だった。
(あれっ?)
なにかが気になって、ミリィは目をこする。
そうしてもう一度見回すと、違和感の正体が明らかになる。手すりを支える石柱の一部が、妙に綺麗なのだ。
(どうして?)
それらの接合部には、獅子の顔の形をしたレリーフがあしらわれているのだが、いずれもほとんどが風雨に晒され、浸食で黒ずみや欠けが発生している。だが、ひとつだけ、妙に綺麗なものがある。
(怪しい……)