~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 それは実際クラフトからしたら、ジェミーが自身に興味を示さなくなったせいで、彼の方から接点を作る必要が出てきただけなのだが、セニアからしたら自分を軽んじて別の女の尻ばかりを追いかけているように見えてしまうのだ。

 恋の魔法の効果は単純接触の回数に比例する。その効き目が薄まりつつある今、セニアの本来聡明な頭脳には、様々な考えが浮かんでいた。

(クラフト様はジェミー嬢と婚約し、ペリエライツ家と結託して玉座を奪いとるつもりだと言っていたわ。そうすれば、第一王子の矛先は必ずペリエライツ家に向き、ジェミー嬢もろとも潰しにかかるから、自分たちはそれをただ待っていればいいと。でも、そんなこと本当にうまくいくの?)

 この時点では、セニアはクラフトが隣国のカレンベール帝国の命運を握っていたことを知らない。彼がジェミーとの婚約をまとめるために新たな計画を進めていることも。深く考えれば考えるほど、クラフトの計画にいろいろと穴があるように見えてくる。

(私もジェミー様は好きになれない。だって、あの人はずるいもの。お金も地位も、友達も、特別なことをできる力もみんな持ってる。どころか、私が黒い噂をばら撒いて殿下と一緒に彼女の評判を落とそうとしてたのを知ってるくせに、怒りさえみせずにいた。きっとあの人の胸には嫉妬なんてないのよ。彼女のような人を差し置いて、私は、自分が胸を張って王妃にふさわしいと言えるの?)
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