~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 青ざめながらセニアは、自分の胸を押さえた。

 実は彼女がそういうことをやらかす度にジェミーは内心でぶちギレていたのだが、そんなこととは夢にも思わず。今や、帝国復興に力を貸し、時の人となったジェミーの噂はレビエラ国内にまで流れて来ており、もはやセニアの中でも聖女めいた印象にまでなっていた。

 ちなみに学年末試験でも、ジェミーはちゃっかり首席を取得している。次席はルゼとかいう他クラスの青年であり、自分は三位と遠く及ばなかった。そのことにより、セニアはお店の管理に渡航の準備にと、忙しい思いをしていたはずの彼女との力の差を存分に思い知っていた。

(本当に、私があの人からすべてを奪う権利があるの?)

  強い罪悪感が胸の奥をずきりと刺激し、それから逃れようとするようにセニアは首を振る。

(ダメよ。自分で決めたんじゃない。どんなことがあろうとクラフト様を信じ、力を貸すって。私は、彼を玉座に就けるためになんでもしなきゃならない。それがこの手を汚すようなことだとしても、ためらってはいけないんだわ)

 すでに、セニアはもうクラフトに荷担し、ジェミーに関する偽の悪評を流しているのだ。今さら心変わりなど許されないと、悲劇の沼に身を沈めるような決意でセニアは顔を上げようとする。
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