~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「不審な人物がいなかったか、崖崩れが起きた場所の近隣で聞き込みをしてきたんだけど、そこの街でもやはり怪しげな人間を見たという人がいたようなんだ。酒場のバーテンが、前日に街の酒場で管を巻いてたやつらがうっかりこぼした言葉を耳にしていたよ。ロドリエ商会、という組織に聞き覚えはないかな?」
「う~んと……。ダメだわ、ごめんなさい」
彼女はなにか引っかかったようにしばらくの間頭を悩ませていたが、どうも思い出せないようで首を振る。彼女が知る未来知識に含まれていないかというルゼの期待は、あえなく空振りに終わってしまった。
だが、世情に疎いルゼも知るくらい王都では有名な商会だし、街中で聞き込めば怪しい情報のひとつやふたつは得られるはず。
「いや、かまわない。むしろ、今君は頼りになる人がいないんだ、自分からは下手に首をつっ込まないようにしてくれ。彼らに関しては僕の方で調査を進めておくから」
「いいんですか? 助かりますけど、本来なら私たちがやらなければならないことなのに」
ジェミーは叱られた子供みたいにしゅんとしている。
そのしおらしい態度があまりにも似合わなくて、ついルゼはおかしくなってしまった。
「らしくないよ。いつもみたいにもっと図々しく言ってくれなきゃ、こっちとしても張り合いがないじゃないか」
「う~んと……。ダメだわ、ごめんなさい」
彼女はなにか引っかかったようにしばらくの間頭を悩ませていたが、どうも思い出せないようで首を振る。彼女が知る未来知識に含まれていないかというルゼの期待は、あえなく空振りに終わってしまった。
だが、世情に疎いルゼも知るくらい王都では有名な商会だし、街中で聞き込めば怪しい情報のひとつやふたつは得られるはず。
「いや、かまわない。むしろ、今君は頼りになる人がいないんだ、自分からは下手に首をつっ込まないようにしてくれ。彼らに関しては僕の方で調査を進めておくから」
「いいんですか? 助かりますけど、本来なら私たちがやらなければならないことなのに」
ジェミーは叱られた子供みたいにしゅんとしている。
そのしおらしい態度があまりにも似合わなくて、ついルゼはおかしくなってしまった。
「らしくないよ。いつもみたいにもっと図々しく言ってくれなきゃ、こっちとしても張り合いがないじゃないか」