~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「ああもう、泣きたいのはこっち! あなたも私の気持ちが少しでもわかるなら、これ以上つっかかって来ないでね。それだけでいいから」

 するとセニアは、席を立ったジェミーに縋りつくようにして、何度も何度も謝罪をする。

「本当にごめんなさい。私、自分が恥ずかしいわ。なんにも知らないくせにあなたばかりを恨んで。クラフト殿下があなたを卑怯な手段で陥れようとしていることも知っていたのに、それには目を瞑って」
「いいんだってば。さあ立って、あなたの店まで送るから。ミリィ、ちょっと出てくるから、こっちの方は任せたわよ」
「かしこまりました~」

 高速お皿回収機と化したミリィのパフォーマンスで店内のお客様が拍手を送るのを尻目に、ジェミーはセニアの背中を出口まで支えて連れて行く。

「私、変わりたい」

 そんな中、涙を拭いぽつりとこぼした彼女に、ジェミーはかつて大好きだった物語の姿を少しだけ思い出し。

「そうね、あなたならもっとちゃんとできるわよ」
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