～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「くっ、またセニア様に先を越されてしまいましたわ」
「まさか、セニア様がかの公爵家の末裔でしたなんて。期末テストのこととあり、差をつけられてしまいましたわねぇ」

　リエッタやイリスも最初は彼女に反発していたが、ジェミーに宥められ、セニアに敵意が見られないことを悟ると、次第に警戒心は萎んでいったようだ。彼女が自分たちより上の身分だということあり、今では学友と認め普通に接している。

　セニアのことだが、彼女はその後けじめとしてセニアーズ・クラフトをいったん閉め、ジェミーズ・ドロアーの傘下として再出発させたいと提案してきた。

　それでいいのかという思いもあったが、彼女自身が乗り気だったし、またこちらの店舗もそろそろ開発した新商品などで手狭になってくる頃だ。これまでも、夏場や冬場にお客様を長時間外で待たせるのもリスキーだと、パネマたちもその辺りの気遣いが負担になっていたようで、近隣に別店舗を構えて客数を分散させるのも悪いことではないと、よくよく彼女たちとも相談した上でセニアの提案を吞むことにしたのである。

「でも、セニアはゆくゆくは、クラフト殿下と結婚して、少なくとも王子妃の位をいただくことになるんでしょう？　そうなるといずれは手放すことになっちゃうんじゃないかしら？」