～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「当方もロドリエ商会のことはよく存じておりますの。あのセニア嬢が見事に社交界で返り咲くのを手助けされた、現在王国で一、二を争うほどの勢いを持つ大商会。今後を考えると、一度こちらからぜひご挨拶をさせていただきたくて」
「ふふ、その節は、さすがのお手並みを拝見させていただくことになりました。セニアーズ・クラフト開店の際には当商会もかなり力を注いだのですが、まさかあんな隠し玉まで用意されていたとは。ジェミー様の経営手腕には脱帽です。しかも今後、そのノウハウを惜しげもなくセニア様に教授してくださるおつもりだとか。よろしいのですか？」

　彼も会長としてジェミーズ・ドロアーとセニアーズ・クラフトの争いは把握していたようだ。チョコレートの件なども予め知っていたのなら、こういう未来になるのもある程度予期できたのではと思うが、今はセニアの好きにさせた理由を探るよりも、問いたださないといけないことがある。

「単刀直入に言いますわ。私にあなた方と敵対する意志はありません。セニアとも今後友人として協力し合っていきたいと思っています。ですから、ぜひ教えていただきたいの。ルゼという青年、そして、私の家族たちがどこにいるのかを」

　ジェミーは相手にペースを握られる前に本題を叩きつけたが、それによってジェイクが顔色を変える様子はない。
　だが、ルゼはそれなりの証拠を集めた上でジェイクに面会したはずと、ジェミーはそう信じている。
　となると、この男がなんらかの鍵を握っているのは間違いない。