~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
あちこちを行き来させて申し訳ないとジェミーが頭を下げると、彼はくすりと笑ってジェミーの頭を撫でた。
「ううん、ボクにとって君はかわいい妹分だもの。どんなに苦労を掛けられたってつらくない。それに……自分の中でも今日のことで色々と踏ん切りがついた。あの不甲斐ないルゼに君のことを任せるのは癪だけど……やつに言っておいてよ。ジェミーを苦しめたら承知しない、ってね」
「あの、カーライル?」
「それじゃ……さようなら」
それだけ言い残すと、カーライルは肩越しに小さく手を振って、すぐに出て行ってしまう。去り際の表情が少し、寂しそうに見えたのは気になったが……。
「なにをしておる、ジェミー。まずはその格好をなんとかせい。それから婚約を解消するための手続きに関して色々と相談せねばな。――どうかしたか?」
「い、いえいえ、すぐ行きます!」
ルブロに衣裳部屋に案内されながらも、ジェミーはゆっくりと外に消えるカーライルを追うかどうか迷った。
その姿が、記憶の底にある頼りない少年の頃と重なるようで。
「ううん、ボクにとって君はかわいい妹分だもの。どんなに苦労を掛けられたってつらくない。それに……自分の中でも今日のことで色々と踏ん切りがついた。あの不甲斐ないルゼに君のことを任せるのは癪だけど……やつに言っておいてよ。ジェミーを苦しめたら承知しない、ってね」
「あの、カーライル?」
「それじゃ……さようなら」
それだけ言い残すと、カーライルは肩越しに小さく手を振って、すぐに出て行ってしまう。去り際の表情が少し、寂しそうに見えたのは気になったが……。
「なにをしておる、ジェミー。まずはその格好をなんとかせい。それから婚約を解消するための手続きに関して色々と相談せねばな。――どうかしたか?」
「い、いえいえ、すぐ行きます!」
ルブロに衣裳部屋に案内されながらも、ジェミーはゆっくりと外に消えるカーライルを追うかどうか迷った。
その姿が、記憶の底にある頼りない少年の頃と重なるようで。