~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 それまでとは違って生き生きと瞳を輝かせたルブロの姿にカーライルも嬉しそうに笑う。
 本当によかった。これでルブロとカーライルのわだかまりも消え、ジェミーとしてもクラフトに対抗する準備が整えることができた。彼がここにいなければ、無事ルブロの協力を取りつけることはできなかったはず。ただただ感謝だ。

「ありがとう、カーライル!」
「ううん、ボクの方こそ、父上が立ち直るきっかけをくれて、いくらお礼を言っても言い足りないよ。それより、これからどうするかだけど……」

 そう、問題はここからなのだ。どのタイミングでクラフト殿下に婚姻の撤回を求めるか――。

「ふむ、となるとすぐに王都へ参り、国王様に陳情するのかの?」

 細く伸びた髭を整えるようにしごいたルブロの言葉を、ジェミーは否定する。

「いいえ。あのクラフト殿下のこと、いったん結婚式を取りやめや延期にしたところで、またさらなる策を講じてこないとも限りません。すべては式の当日、その場で彼の眼前につきつけてやることにしましょう!」

「なるほどね。よし、こちらでもなにか打てる手はないか考えておく。それと、ボクはひと度帝国に戻って皇帝陛下に事情を説明しておくことにするよ」
「いいの? 叔父様の説得に協力してもらった上にそんなことまで」
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