~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
きつく口を結んだブラウンの質問に、王国の歴史をよく知るウィリアムはそれはないと首を振った。
ウィリアムの持つ情報とジェミーなどから聞いた話による印象を照らし合わせれば、自ずとクラフトの人物像が見えて来る。その外面のよさからしても、おそらく、彼の願いは一時的な玉座の奪取ではなく、自らが完璧な王として君臨し続けること。となれば、性格的に将来に禍根を残すような手段は取りたがらないはずだと、ウィリアムは断言する。
「クラフト殿下はおそらく、明確な目的がなければ、人を殺めるようなことはなさらないでしょう。外に出ていないなら、必ずどこかに囚われているはず」
「そうであってほしいものだ。しかし、もう百件以上は目星を探りましたが、なにも出てこないとは。新しい手掛かりもだんだん少なくなってきたし、悔しいがこのままでは」
暦は着々と進んでおり、もうすでにジェミーの結婚式まで三日を切っている。
「ここまで街中を捜索して見つからない。ならば、答えはひとつしかありません。みだりに人々が立ち入れぬ場所」
ウィリアムは白手袋に覆われた指をつっと地図の上で滑らせ、ある一か所を示した。
「王宮、ですか? しかし宮内に荷物を運び込むには、外に出す以上に厳しい検査を通る必要があります。それをどうやって潜り抜けたのか」
ウィリアムの持つ情報とジェミーなどから聞いた話による印象を照らし合わせれば、自ずとクラフトの人物像が見えて来る。その外面のよさからしても、おそらく、彼の願いは一時的な玉座の奪取ではなく、自らが完璧な王として君臨し続けること。となれば、性格的に将来に禍根を残すような手段は取りたがらないはずだと、ウィリアムは断言する。
「クラフト殿下はおそらく、明確な目的がなければ、人を殺めるようなことはなさらないでしょう。外に出ていないなら、必ずどこかに囚われているはず」
「そうであってほしいものだ。しかし、もう百件以上は目星を探りましたが、なにも出てこないとは。新しい手掛かりもだんだん少なくなってきたし、悔しいがこのままでは」
暦は着々と進んでおり、もうすでにジェミーの結婚式まで三日を切っている。
「ここまで街中を捜索して見つからない。ならば、答えはひとつしかありません。みだりに人々が立ち入れぬ場所」
ウィリアムは白手袋に覆われた指をつっと地図の上で滑らせ、ある一か所を示した。
「王宮、ですか? しかし宮内に荷物を運び込むには、外に出す以上に厳しい検査を通る必要があります。それをどうやって潜り抜けたのか」