~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「わかりません。ですがそうなれば我々の手に負えることではない。ガーフィール殿に相談し、内部の捜索を行う許可を得ましょう」
「うまくいきますかな?」
「わかりません。ですが」
制限時間が刻々と迫る中、式の開始までにルゼたちを救い出せなければ、彼がウィリアムを信じて体を張った意味もなくなる。
ほんの小さな頃から、育ての親のようにウィリアムに守られていたルゼ。
だが、そんな日々を経て彼はもうこちらの手を離れかけている。
今回のことも、大切な人のために彼に自らの頭で考え行動に移った。ジェミーとの出会いが、今まで生きる上ではっきりした目的を持とうとしなかったルゼの足を大きく進ませている。
これが彼に頼られる最後の機会となるかもしれない――そんな感慨を抱いたウィリアムはブラウンにしかと頷いて見せた。
「我々がおそばで使える意味があるのも主の信頼に応えられてこそ。最後まで、全力を尽くしましょう」
「ですな」
その頼もしさに不甲斐ない自分を反省すると、ブラウンもぜひとも今度こそはと奮い立つ。
よって翌朝、彼らは最後の望みの綱を託すため、王都の中央にそびえる王宮へと赴いた。
「うまくいきますかな?」
「わかりません。ですが」
制限時間が刻々と迫る中、式の開始までにルゼたちを救い出せなければ、彼がウィリアムを信じて体を張った意味もなくなる。
ほんの小さな頃から、育ての親のようにウィリアムに守られていたルゼ。
だが、そんな日々を経て彼はもうこちらの手を離れかけている。
今回のことも、大切な人のために彼に自らの頭で考え行動に移った。ジェミーとの出会いが、今まで生きる上ではっきりした目的を持とうとしなかったルゼの足を大きく進ませている。
これが彼に頼られる最後の機会となるかもしれない――そんな感慨を抱いたウィリアムはブラウンにしかと頷いて見せた。
「我々がおそばで使える意味があるのも主の信頼に応えられてこそ。最後まで、全力を尽くしましょう」
「ですな」
その頼もしさに不甲斐ない自分を反省すると、ブラウンもぜひとも今度こそはと奮い立つ。
よって翌朝、彼らは最後の望みの綱を託すため、王都の中央にそびえる王宮へと赴いた。