~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「それでは。いついかなる時でもお互いの身を案じ、人生を共にしてゆくというのならその証を、この場にて神の身元に示していただきましょう。さあ、おふたりとも、誓いの口づけを」

 最後の一幕が近づくが、ジェミーは少しも笑うことなく、口をきゅっと引き結んでそれを待ち受ける。
 それが最後まで貫くべき、せめてもの彼女の意地だ。

「ジェミー、これから君を誰よりも愛すよ」

 それを嘲笑うように、口先だけの甘い言葉を囁くクラフトによってジェミーの両肩は固定され、この上なく美しい顔がゆっくりと迫る。しかし、その澄んだ青い瞳の奥にはいかなる感情も映っていない。それはきっとジェミーも同様だろう。

(なにも感じないのね)

 人生初の結婚式でのファーストキスなのに。
 夢にまで見た、最高の瞬間のはずなのに。

 まるで感情がプラスチックにでもなってしまったかのように、無機質な気分でジェミーはなすがままに、クラフトを待ち受けた。
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