~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 形のいい唇が……決着を確かめるように、なぶるように、一センチ、また一センチと近づく。
 それを身じろぎもせずに待ち受けるジェミーの目元にはいつしか、一粒の雫が膨らんで。

 するっ――と、頬を伝い。
 
 ぱっと――冷たい床の上で弾けて。
 
 唇が――。
 
 触れ――。

「「「その誓い、待った――――っ!」」」

 ようとした、その一ミリ手前。

 そんな叫びがジェミーの心に仄かな明かりを灯して。

 扉をつき破るように雪崩れ込んだ唐突な闖入者たちが、式場の厳かなる空気を粉々に破壊してしまった。
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